ヘリクリサム４〜森田美勇人〜

165. 森田美勇人side ページ15

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安井「そうだよね、わかったって。

なると、思う？」




安井「そんな中途半端な覚悟でこの話を

進めたわけじゃないから。」






美勇人「…わかってるよ。そうなんだろうけどさ」






萩谷「グループのため、とかなんだったらいらないって。」



諸星「うん、それは気にしなくていいよ」







Aはそれを受けて、どう感じるだろうか。






美勇人「…それをしてAが喜ぶのかもわかんないし」






真田「いや喜ぶだろ。

それが、美勇人が決めた判断だと思ったら。」




真田「それすら分かったら、アイツは受け止めるよ。

受け止めて素直に喜べる強さ、持ってるよ。」








発言してるメンバーも

してないメンバーも。




みんなの目が、力強くて。




圧倒された。






みんな、本気で俺らを想ってくれてるんだ。






でもさ、俺、多分みんなが思ってるより弱いんだよな。







美勇人「でも。悪く言う奴もいるよ？きっと。」



　


これでまた、取り返しのつかないことになったらって



そう考えると、とてつもなく、怖いんだよ。




美勇人「色々なこと知らない人が平気で、嘘並べてさ」




…怖いんだよ。




美勇人「平気な顔で俺らの努力してきた道潰しにくるよ？」





顕嵐「…それがなんなんすか？」






黙っていた顕嵐が口を開いた。


　



顕嵐「言わせとけばいいじゃん。

分かってくれる人も中にはいるし、

少なからず、俺らは絶対に味方なわけだし。」




顕嵐「何にビビってんすか。

こんなに長いことやってきてる俺らがこんなにも

大丈夫だって言ってるのに。」







…何にビビってるのか。




顕嵐のその言葉が胸に

鋭い刀のように突き刺さる。







顕嵐「もうちょっと俺らのこと、信じて頼ってくれても

いいんじゃないすか？」







顕嵐の、信じて頼ってくれという言葉は

顕嵐だからこその伝わってくる想いがあった。







長妻「…大事なのは、

みゅっさんがどうしたいかどうかだよ。」







ながつが、控えめに、でも堂々とした目で

そう訴えかけてくる。







長妻「もし何かあっても、俺らなら大丈夫だよ」




長妻「…うん、大丈夫！

だってこのメンバーだもん。何も怖くないよ」






最年少の彼の言葉も俺を動かすには十分だった。






安井「…どうする？美勇人。

俺らのこの話に、乗る？」






美勇人「……乗った。」








それは、大きく歯車が動き出した瞬間だった。

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