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その日のレッスンの後、

マネージャーに今日は送らなくていいと言って

一人レッスン室に残った




思ったより美勇人の言葉に傷ついている自分がいて





帰ろうと荷物をまとめてもなかなか家に帰れない


頭がぼーっとしちゃって





結局また、あとは外に出るだけなのに

その手前のロビーのソファに腰を下ろした






美勇人が隣に腰を下ろしたあの瞬間は

こんなに今からショックを受けるなんて

思ってもいなかったのにな







「……あんまりだなぁ…」






美勇人が座っていた場所をゆっくりと撫で

ポツリと一人呟いた声は思ったより震えていた




あ〜ほんとヤバイかも、って思ったその時、




コツンコツンと足音が聞こえて

誰かがいることに驚き慌てて顔を上げた







安井「……はぁ」







目の前には、ため息をつく安井くんがいた







「え、あれ、安井くん……

……まだ帰ってなかったの…?」






そう言いながら、いやいま外から来たし

さっき帰って行ったの見てたし

とか、頭の中がグチャグチャになる







安井「そんないつ帰ったとか

なんで俺がここにいるとか考えなくていいから」







きっとなんでもお見通しな安井くんは

私の頭の中がいまこんがらがってることも知ってる





どうしようかとそれでさえも慌ててしまって

とりあえず隣に座れるように横にずれた




だけど安井くんは隣に来ようとしない。






安井「…大丈夫?」






ただ、自販機に半分の体を預けるようにして

もたれながら私を見る




その声はあまりにも優しくて

今の傷ついた私の心には痛いほど滲みて

溢れそうになる涙




すると、安井くんが近づいてきたかと思うと

私の頭に安井くんのキャップが被せられた






安井「…美勇人でしょ」



「……えっと、」



安井「ほんっとわかりやすいわー。

で?美勇人と何があったの」







キャップを深く被せられたせいで

全然前が見えないけど、このおかげで

溢れる涙を見られなくて済むからありがたかった

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- とっても、面白いです! (2020年9月12日 23時) (レス) id: 49efc44e7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:barumi | 作成日時:2020年8月16日 23時

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