AFFECTION２［俺のスカート、どこ行った？] (ページ10)

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明智side

退学届が受理されなかったみたいで、俺は電話で学校に呼び出された。

Aも呼び出されたようで、メッセージがきたから、まずはAを迎えに行こうと家を出る。

すると目の前には、父がいた。

明智「…なに」

明智父「仕事先にお前紹介しないといけないからさ。」

明智「…でも今から学校にやめる話で呼び出されてるから。」

明智父「待てよ」

明智「離せよ」

すると父の手が上に上がった。

反射的に自分を守る。

殴られ続けたことで、敏感になっていた。

明智父「ははは笑冗談だよ。早く行ってこいよ。お前、学校やめて俺に200万返さないとだからな。母親にもらった金、全部使ったろ？」

わかったって。

返事をせず、その言葉の重さを感じながらAの家へ行った。

マンションの下ではもうAが立っていて。

ぎこちない顔をしていた。

明智「…呼び出されたおかげで、会えたんだから。良かったって思っとこ。」

「…そうだね、うん、」

歩き出すと、いきなり転がってきたサッカーボール。

子どもたちのサッカーボールが飛んできたようで、俺はそのボールを蹴って返した。

久しぶりにサッカーボール、蹴ったかも。

色々と蘇ってくる記憶。

中学生の頃、父の仕事の部下の佐藤くんが俺にサッカーを教えてくれた。

教えてもらってるところにはAもいて、嬉しそうに笑って佐藤くんと俺がサッカーをしているところを見ていた。

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明智「佐藤くんってさ、なんでそんなうまいの？」

「私もそれ思ってた！」

佐藤「秀一もAちゃんも。色々やればわかるよ。一番大事なのは、自分で何とかすることだ。人に頼ってちゃ何も変わんねぇからな。」

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ふとAの顔を見ると、サッカーボールを遠い目で眺めていて。

同じことを思い出してんだろうなってすぐにわかった。

そこから俺たち二人は並んで学校へ行く。

この景色は今までと何一つ変わらないはず。

だけど、お互いの背負っている荷物が重すぎて。

見える景色は全て灰色に見えた。