AFFECTION２［俺のスカート、どこ行った？] (ページ9)

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次の日。

ベッドで目を覚まし、二人で部屋を出て、登校した。

今日一日は、普通に、楽しもうなって、そう約束して。

二人で、授業中喋って、休み時間も一緒に過ごして、お昼を食べた。

こんな当たり前の日々が、今日で最後なんて。

周りにいる人は誰も、感じていない。

明智は周りにいる人らみんなに最近冷たく当たっていたのもあって、今日も話しかけられてもめんどくさそうに対応して、私としか一緒にいなかった。

きっと、自分がいなくなっても、みんなが悲しくならないようにしてるんじゃないかって、私にはそう思えた。

そして帰り。生徒指導の長井先生に退学届を渡して私と明智は二人で並んで学校を出ようと廊下を歩く。

慌てて飛び出してくる長井先生は、「明智くん、(人1)さん！ねぇ、待って！急にどうしたの？何かあるなら聞くわよ？？」と話しかけてきた。

それに明智は振り返ると

明智「大人って何もできねえくせに偉そうなこと言いますよね」

と言った。

その目は真っ黒で、絶望に満ちていて。

いま、きっと私も、瞳の色がないんだろうなって思った。

長井先生もその言葉と、その表情に固まっていた。

父親に暴力を振るわれ、迎えにいくからと言って出て行った母親を信じ待ち続けているが未だに帰ってこない明智。

母親に捨てられ、父親は私を守るどころか性的暴力を振るわれた私。

周りにいる人は、誰も、何も、してくれなかった。

言葉は時々かけてくれても、何も、助けて、くれなかった。

大人は何もできないくせに偉そうなことを言う。

それは私たちが何度も何度も嫌というほど経験してきたことだった。