逃げよう ページ34
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静まり返った部屋の中で
私は再びベッドに倒れ込む。
しばらく天井を眺めていると、
ガチャっとドアが開く音がした。
体を起こして部屋の入り口を見ると、
そこに居たのはヨコ。
「何しに来た。」
「今夜、Aさんを処分するように
言われてるんで、様子を見に。」
「ふはっ、おもしれえじゃん。」
笑う私を、
ヨコは無表情で見下ろしている。
「何、殺す前に私を食いに来たのか?」
「中学生は守備範囲外ですわ。」
「つまんねー野郎だな」
「・・・・・・」
ヨコは、黙りこんで私の隣に座る。
「Aさん、死んでください。」
「ああ、殺せよ。」
「…………ほんで、」
そっとヨコが私の手を握る。
「ほんで、俺と人生やり直しましょう」
「……何のつもりだ。」
思わず、怪訝な顔で彼を睨む。
「なんのつもりでもないです。
……俺と一緒に逃げましょう。
そう言うてるだけです。」
真っ直ぐに私の目を見て
ヨコは握ったままの手をひっぱって
私を立たせる。
「俺と一緒に、
どこか遠くで暮らしましょう。」
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有希。(プロフ) - ピエロさん» ありがとうございます!初コメント頂いて感激です。頑張ります! (2017年1月1日 16時) (レス) id: 26851cf6e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 今日はじめてみました。更新待ってます (2016年12月31日 17時) (レス) id: cb976b3c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有希。 | 作成日時:2016年12月19日 19時