ぼくらのきずな【気象系】 (ページ12)

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銀の弾丸０ページ12

-prologue-

この世に存在する
“能力者” という者たち

普通の人には無い
特別なチカラを持っている者たち

善もいれば、悪もいる

また、自分の意思で動く者や
利用されている者もいる

能力を持つ者と持たない者

対応が違うのは何故なのだろうか

全ての始まりは “あの日” だった

－－－－－－－－－－－－－－－－－－

夜の暗闇に紛れながら
何かから逃げるように走る男の姿が

なんとか撒こうと、必死に
静かな路地の細道を走っていく

「…な、なんなんだよ！おまえ！」

焦る男に近づく、小さな影

その影はかなり小さく、
大人と呼ぶには程遠いため、
子どもなのだろうか

だが、その手には小型ナイフ

暗闇の中でも光っているソレを
見て、ますます焦る男

男はその姿に思い当たる人物がいる

最近、巷で話題になっている＿＿＿＿＿＿

「お、おまえ、まさかっ！」

＿＿＿ジジッ＿＿＿＿

耳障りな音の後

ドサッという音と共に
男が血を流して倒れた

「………」

動かなくなったソレを
黙って見つめる小さな影

「…よくやった。さすがだな、銀の弾丸(シルバーブレッド)。」

暗闇に紛れ、現れた大きな影

銀の弾丸(シルバーブレッド)と呼ばれた
小さな影は、声の主を黙って見上げる

「今日はもう終いだ。…戻れ。」

「…承知、しました。…我が主(マイ・マスター)。」

主(マスター)と呼ばれた大きな影は、
銀の弾丸(シルバーブレッド)に冷たい視線を送る

倒れている男に背を向け、
そのまま暗闇に消えてしまった２つの影

銀の弾丸(シルバーブレッド)の持っていたナイフには、
今はもう動かない男の血が付いていた