病は気からって言うなら医者全員精神科でいいじゃん ページ10
身長のせいでチャイムに手が届かないので、万事屋の前には
「…おじゃまします」
返事は返ってこないがそれももう慣れたものなので特に気にせず歩み進め居間に着いた
留守だったのかと踵を返そうとしたところで隣室から呻くような声が聞こえた。
「…銀さん……?」
和室へと繋がる襖を開けると万事屋一行はそこに居た。が、いつになく静かである。
銀時は布団の中に入っており額には濡れた手ぬぐいが置かれ、銀時の傍で正座しそれを何度も変える新八。新八とは反対側に座り2人を眺める神楽の表情は浮かばれない。
「!
「あ、いらっしゃい
入室して来た
「…銀さん、風邪…?」
「うーん…どうだろう。それにしては熱が高すぎるから何か病気なんじゃないかと思うんだけど…」
「…病院は?」
「それが…」
新八がため息をついた。と同時に布団の中からくぐもった声が響く。
「俺ァ病院なんて行かねェからな…人間どんな病気でも寝てりゃ治るんだよ、寝てりゃァ…ゴホ、ゲホッ」
「ちょっと!黙って寝ててください!…この調子でね、病院には行ってないんだ」
「そもそも、ウチに病院に行くお金なんてないアル。銀ちゃんが全部スってきたネ」
そんな3人の様子を見て
「…タダで診てくれるお医者さん、知ってる」
「タダぁ?タダほど高いモンはねェって言うだろうが。どうせヤブ医者だろ。悪化するだけだから俺ァ行かねぇよ」
病院に行くのがよっぽど嫌なのか間髪入れず返した銀時のそばに歩み寄り、もう一度呟く。
「……最近かぶき町で話題の名医で、しかもとっても綺麗で優しい女医さんらしいんだけど…」
「さぁてとっとと医者にかかって治しちまうか!オラ新八、神楽。用意しろ」
直ぐにそう切り返す銀時に2人は呆れた顔をしつつも準備をするのだった。
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作者名:木月 | 作成日時:2021年2月23日 15時