よんじゅうなな ページ49
+
初めての労働は目が回るほど大変だ。
私は所謂ボーイさんがやるような雑用を任された。おしぼりの交換や、ドリンク作り。
空いた灰皿をボーイさんに預け、新しいのを机に置く。
…などなど、他にも細かい雑用がいっぱいだ。
「失礼します、灰皿の方お取替えいたしますね」
山盛りになった灰皿を見て私は慌てて声をかけた。ありがとさん、と言ってお客様が私をちらりと見た。
黒い帽子を被り、赤ワイン色のシャツに黒いコートを羽織っている。至る所に装飾品な付けられている。…金持ちそうな人だな。
なんて思いながら灰皿を手に取った。
「ねぇ、レイさん!さっきの続き!教えてよぉ」
「おう、ンでな、これは必ず儲かる株で…」
年利30%。自動売買プログラムを使っているから簡単。まだ未公開の株。
なにやら怪しげな会話な途切れ途切れ聞こえた。レイさんと呼ばれた人の相手をしているのはナミさん。
ナミさんは目を輝かせてその話に聞き入っている。
…必ず儲かる、なんてあるはずがない。高すぎる年利や、有り得ないプログラム。
これは、確実に詐欺だ。
ごくりと唾を飲み込んだ。
「一般的な投資信託の利率は、高くても年利3%程度で…。投資は言わば賭けで…、必ずは存在しません。その話、ちょっと危な…きゃ?!」
灰皿を持つ手をぎゅっと握られてそのまま引っ張られた。慣れないヒールに転びそうになりながらもなんとかついて行く。
「嬢ちゃん、オジサンちょっと気分悪いからトイレまで案内してくれないかい?」
「は、はぁ。そこの角を右に曲がったつきあたりにござ…っ!」
角を曲がった瞬間。即ち、ホールからの死角に入った途端に壁に押し付けられた。
「営業妨害だぜ、賢いお嬢ちゃん」
+
712人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - ふぅぅ………… …すき。 (2021年1月10日 1時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - ルイさん» お待たせしてしまって申し訳ありません、続編の更新の準備が整いましたのでぜひ見てください! (2020年1月15日 20時) (レス) id: 6dc6009444 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - この作品大好きなので、続編を作って頂けるなんてとても嬉しいです(#^.^#)楽しみにしています^^ (2020年1月5日 9時) (レス) id: 7f74208646 (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - あこさん» ありがとうございます!楽しみと言って頂けて良かったです!無理せずバンバン更新していきたいので、応援宜しくお願いします! (2019年12月31日 12時) (レス) id: 8fb33f3543 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 次の更新が楽しみすぎてヤバいです!!!((((*゜▽゜*))))無理せず更新頑張ってください(っ´ω`c) (2019年12月31日 2時) (レス) id: 8776df8bdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まま松2 | 作成日時:2019年8月19日 20時