よんじゅう ページ42
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すっかり自分の世界に入り自己嫌悪に陥っている独歩さん。困ったように彼の頭を見つめていると。
「おい、邪魔だ」
土下座するサラリーマンと呆然と立ち尽くす女子高生という謎の空間に遠慮なく声をかける男が1人。見慣れた声だった。
「「すみません!!!」」
2人してそう叫び廊下の脇に寄る。
その人の顔を見た瞬間…、さっと顔が青ざめるのを感じた。
「さ、ささささ、左馬刻さん?!」
「あ゛?あーー、テメェ、銃兎が拾ったガキか。それに…テメェは先生んとこの…」
「か、観音坂独歩と申します!!あの、先日のテリトリーバトルでは大変お世話になり…」
「おーおー、やってくれたよなぁアンタら」
え、観音坂さんも左馬刻さんの知り合いなの?!険悪なムードが立ち込める。
テリトリーバトルということは双方ラップをするということが…。何だかカオス。
「おい左馬刻!聞いてんのか?!」
すると左馬刻さんが持っていたスマホからそんな声がした。どうやら通話中らしかった。
ぞくりと背筋が凍る。電話越しで、しかも小さい声だったから判断は出来ないが…。
銃兎さんの声に聞こえたような…。
「ぎゃーぎゃー喚くな、うぜェ。で、なんの用だよ。暇じゃねぇんだわ。…は、ガキって、お前が拾った女か?は、探せって?…」
電話の内容からして完全に私のことだった。左馬刻さんがチラリと私を見る。
言わないでください!と口パクをしながら了解ぬ両手を合わせた。にやりと笑った左馬刻さんはスマホを持っていない方の手でOKマークをつくる。
や、優しい!!
そう感動した瞬間…。
「俺の目の前に居るけど?」
「な?!」
あっさり裏切られた。慌てて逃げようとするが首に左馬刻さんの腕が周り、逃げられない、
「お、おー。伝えとく。」
電話を終えた左馬刻さんはヤクザらしい、黒い笑みを浮かべる。
逃げられない。様々な地方に張り巡らされた人脈が。
「銃兎から伝言な。若いガキの肝臓は1000万はくだらなぇってな。」
「ひ」
…う、売られる!!
「ま、冗談なのを願うんだな。」
そう茶化すように言って頭をポンと撫でる左馬刻さんだったが、私は一切頭に入らず…。
泣いてしまいそうだった。
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リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - ふぅぅ………… …すき。 (2021年1月10日 1時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - ルイさん» お待たせしてしまって申し訳ありません、続編の更新の準備が整いましたのでぜひ見てください! (2020年1月15日 20時) (レス) id: 6dc6009444 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - この作品大好きなので、続編を作って頂けるなんてとても嬉しいです(#^.^#)楽しみにしています^^ (2020年1月5日 9時) (レス) id: 7f74208646 (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - あこさん» ありがとうございます!楽しみと言って頂けて良かったです!無理せずバンバン更新していきたいので、応援宜しくお願いします! (2019年12月31日 12時) (レス) id: 8fb33f3543 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 次の更新が楽しみすぎてヤバいです!!!((((*゜▽゜*))))無理せず更新頑張ってください(っ´ω`c) (2019年12月31日 2時) (レス) id: 8776df8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まま松2 | 作成日時:2019年8月19日 20時