にじゅうはち ページ28
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ますます意味が分からなくなってきたとき、またピンポンとチャイムの音が聞こえた。
どこかうんざりしたような美形の書生の服を纏った男の人が腰を浮かす。
「やっほー、鍵開いてたから入っちゃった!僕がいないところで二人の友情が深まっている気がしたから来たよー!」
可愛らしい顔立ちに、ピンク色の頭をした全体的にカラフルな男の人がひょっこりと顔を出した。思わず背筋が伸びる。
派手な外見をしたひとにどことなく苦手意識があるからだ。
「ってあれれー、女の人がいるー?どっちかの彼女?初めまして、僕は飴村乱数っていうんだ。よろしくね?おねーさん!」
ん?この人が飴村乱数?
あっという間に私と距離を詰めた彼は私の手を握る。思ったより大きな手にドギマギしながらよろしくお願いしますと小さくつぶやいた。
「万里小路Aと申します。ええと、お二方とは交際関係ではなく...」
「あははー、そんなの知ってるよー!」
...そうですか。
この手のキャラの冗談を真に受けるとは恥ずかしい。
「...ふぅ、乱数。ネタバレしないでください。先ほどは失礼、小生が正真正銘夢野幻太郎です。」
「俺が、有栖川帝統だ!てかお前、ギャンブラーじゃないんだったら、なんでゴミ捨て場なんかでで寝てたんだ?」
「そ、それは...」
じっと三人分の視線が集まった。疑いの眼差しを向けられているようで居心地が悪い。畳を目でなぞりながらなんとか言い訳を考える。
ゴミ捨て場にトリップしたから同じゴミ捨て場で寝てたら元の世界に戻れると思ったからです。なんて言えばますます疑われるだろう。
「んーー」
静かな空間の中、飴村さんが指でこめかみを押しながら唸っていた。私から外れた視線が、今度は飴村さんの方へ向いた。
「どうしたんです?」
「万里小路ってよくある苗字じゃあないよねぇ」
「...まあそうですね」
「なんかさっき、一郎から電話がかかってきて。万里小路って高校生の女がそっち方面に行ったかもしれないから、時間があったら探してくれって連絡が来たんだぁ」
一郎...
一郎...
山田一郎さん?!
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リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - ふぅぅ………… …すき。 (2021年1月10日 1時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - ルイさん» お待たせしてしまって申し訳ありません、続編の更新の準備が整いましたのでぜひ見てください! (2020年1月15日 20時) (レス) id: 6dc6009444 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - この作品大好きなので、続編を作って頂けるなんてとても嬉しいです(#^.^#)楽しみにしています^^ (2020年1月5日 9時) (レス) id: 7f74208646 (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - あこさん» ありがとうございます!楽しみと言って頂けて良かったです!無理せずバンバン更新していきたいので、応援宜しくお願いします! (2019年12月31日 12時) (レス) id: 8fb33f3543 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 次の更新が楽しみすぎてヤバいです!!!((((*゜▽゜*))))無理せず更新頑張ってください(っ´ω`c) (2019年12月31日 2時) (レス) id: 8776df8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まま松2 | 作成日時:2019年8月19日 20時