入間銃兎から逃げる２４時

にじゅうさん ページ23

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時刻は午後1時。

長引くはずだった用事は案外早く済み、俺は早々とマンションへ戻った。





あれだけ念を押したから流石に逃げ出すような馬鹿ではないと思っているが…。


一見真面目そうに見えて、油断ならない女だ。なにをしでかすか分からない。








扉を開ける。ローファーがなかった。嫌な予感が頭を掠め、そのまま廊下を進む。


人の気配がまるでしない。






リビングには当然のように誰もおらず、思わず舌打ちが零れた。


メモ書きを見つける。








「クソガキが……縛り付けてやる」








ぐしゃり、とメモを右手で潰した。
そして左馬刻にバレたらマズいと思いつつも、スマホでとある番号を打ち込んだ。








困った時は我々にお任せ
ブクロの街を俺らが支えます
安くて、早くて、たくましい、ハイクオリティー、萬屋ヤマダ


のフレーズで有名の、池袋で何でも屋をやっているBuster Brosの山田一郎の電話番号だ。





その活動は迷子の猫探しから不倫調査、はたまた行方不明捜索などと幅広い。





「…もしもし、MADTRIGGERCREWの入間銃兎ですが。」




「なんでアンタが…」





「…純粋に依頼があるのですが。よろしいですか？」






「まァ、どんな客でも依頼だったら…。それで、どんな依頼なんすか？」



「迷子のじゃじゃ馬探しです。」









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