にじゅうわ ページ20
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「に、逃げよう猫ちゃん!」
人間、追われたら逃げたくなるもの。それは本能だ。猫を抱き上げた私は慌てて彼と反対方向へ走り出した。公園の裏側、木が生い茂っている茂みの中へ。
「あーー?!」
「二郎、猫は?!」
「いや、茂みに…」
「なに?!」
「この低脳!いち兄に迷惑かけるなんて何様だ!」
「うるせぇ、見つれられなかったお前に言われたくない!」
「見つけても逃したなら同じだ!」
「お前ら、早く探せ!」
「「分かったよいち兄!!」」
まるでコントのような掛け合いをしている彼らは、リーダーらしき男の声でぴたりと喧嘩をやめこちらに近づいてくる。
四つん這いになりながらも、猫をしっかりと抱えたまま前進する。
なるべく枝が折れないように、慎重に…。
「そこか?!」
「…え、きゃ?!」
ぱきん、と小枝を膝小僧で踏んずけてしまった瞬間。にゅ、と腕がこちらに伸びてきてあっという間に腕を掴まれた。
そのまま腕を引かれ、顔に硬い何かがぶつかった。
「んむっ?!」
「………女の子?」
上から降ってきた声に、私は少し顔を上げる。
そこでようやく抱きすくめられてることに気づいた。びっくりした様子の男は、うっかり見入ってしまうほどのオッドアイであった。
「にゃーー!」
「あ、猫ちゃん…」
私の腕から逃れてしまった猫はあっという間に茂みに姿を隠してしまった。
しかし彼は私の顔を見たままだ。猫を追わなくていいのだろうか。
「血が…」
「え?」
「大丈夫か?!わりぃ。おれ、まさか女の子がいるとは思わなくて、思い切り引っ張っちまって…。枝で切ったんだよな…。」
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リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - ふぅぅ………… …すき。 (2021年1月10日 1時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - ルイさん» お待たせしてしまって申し訳ありません、続編の更新の準備が整いましたのでぜひ見てください! (2020年1月15日 20時) (レス) id: 6dc6009444 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - この作品大好きなので、続編を作って頂けるなんてとても嬉しいです(#^.^#)楽しみにしています^^ (2020年1月5日 9時) (レス) id: 7f74208646 (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - あこさん» ありがとうございます!楽しみと言って頂けて良かったです!無理せずバンバン更新していきたいので、応援宜しくお願いします! (2019年12月31日 12時) (レス) id: 8fb33f3543 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 次の更新が楽しみすぎてヤバいです!!!((((*゜▽゜*))))無理せず更新頑張ってください(っ´ω`c) (2019年12月31日 2時) (レス) id: 8776df8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まま松2 | 作成日時:2019年8月19日 20時