8 ページ8
・
「せっかく来たんだし、少しゆっくりしていくヨロシ。トシのところにはちゃんと連れてくアル」
「あ、じゃあお言葉に甘えて…」
「土方さんになにか用なんですか?」
新八さんは湯気が上っている湯呑を私の前に置き、自分自身も私の正面の椅子に腰かけながら、そんなことを聞いてくる。
一瞬言葉につまった。
心優しい人を騙すのは心苦しい。復讐のため、だなんて言えるわけない。
「あの___」
「んあ?お客さん?」
喋ろうとした瞬間。それを遮る男の声が玄関から聞こえた。
新八さんは私に断りを入れると、腰を浮かせその声の主の元へ走っていった。
「銀さん、神楽ちゃんが連れてきた子が来てるんですよ」
「ふぅん、アイツに家に連れてくるような友達っていたんだ」
「友達って言うか...。けが人を拾ってきたんですよ」
そんな会話を交えながら部屋に入ってきたのは、銀色の天然パーマをした男だった。
新八さんと違ってしっかりとした筋肉がついていて、これぞまさに男性。という感じの人。
腰に下げているのは…刀?
「いらっしゃ…」
銀さん、と呼ばれた男は。突然に言葉を途切れさせた。
私の顔を見て、僅かに目を見開く。
そして僅かに頬をひくつかせ、震える指をこちらに差してきた。
「ゆ、幽霊?」
「は?」
思わず聞き返す。
幽霊?そんなわけないじゃないか。
「なに言ってるアルか?銀ちゃん。コイツは人間アル」
「そうですよ。とうとう頭まで天然になってしまったんですか?」
呆れたようにため息を吐く二人に対し、銀さんは心なしか青ざめた顔をしていた。
「あいつとそっくりじゃねぇか...」
そういって銀さんは、小声でそう零したのであった。
・
80人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?京華月 桜?(プロフ) - 真選組の字が違いますよ。「新選組」は現実で、銀魂は「真選組」です。 (2018年3月16日 12時) (レス) id: 8b9ff51846 (このIDを非表示/違反報告)
A .(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年2月28日 22時) (レス) id: 7566c011e8 (このIDを非表示/違反報告)
恋姫-ここな-(プロフ) - とっても面白かったです!!その文才で私の小説を読んでいただきたい(( (2018年2月18日 20時) (レス) id: 1bf0eee3cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ