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執事が2人 ページ3

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「困りましたね……」
投げられたフォークを拾いながら呟く。Aは一度機嫌を損ねたら2,3時間直らないのだ。

「家庭教師の方もいらっしゃるのに……」
マコトは、住み込みでこの家に働いている。会社が倒産してしまい、途方に暮れていたマコト一家をこの家の主――エメ・クロフォードが住み込みで働かせてくれているのだ。そのお詫びとしては、毎日奉仕をしている。

「お父様、ごめんなさい……A――いや、お嬢様は部屋に行ってしまいました」
家庭教師をしていて、マコトの父親のアランに頭を下げる。それをみてアランは笑顔でマコトの頭を撫でた。

「しょうがない、そう言う年頃だ。心配だから見に行ってやれ」
「はい、お父様……」




 クロフォード邸の長い廊下を歩き、隅の方まで行くとAの部屋が見えてきた。クロフォード邸はずいぶんと大きな屋敷だ。小さい頃、Aとかくれんぼをしていて迷子になったぐらいだ。

 Aの部屋をノックする。しかし、返事は無い。

「お嬢様、失礼します」
ドアを開けると、またもや目の前に現れるのはクッション。それをマコトは手でさばき、部屋に入って行った。

「お嬢様、ご機嫌を直してください。家庭教師の方が待っています」
「……普通にお父さんって言ったらどうなの」
「そうですね、私のお父さんが待っています。ふてくされてないで来てください」
その言葉が気に食わなかったのか、Aはマコトに向けてまたもやクッションを投げてきた。

「お嬢様、クッションを大切に扱ってください。可哀想ですよ」
「可哀想なのはアンタの頭だし」
「そんなこと仰らないでください」

 Aは枕に顔を埋め、マコトに文句を垂れ流す。

「良いよね、お父さんに愛されていて。私なんていてもいなくたって同じよ」
Aが珍しく女言葉を使い、ふてくされている。之はもう手に負えない。

「お嬢様。失礼します」
Aが横たわっているベットに馬乗りになり、Aを見下す。Aは少し驚いていたが、すぐに顔を背けた。

「本当に愛されてないと思ってますか」
「ええ、誰にも愛されてない……アンタだって、こんなわがまま、嫌いでしょ」
Aは悲しそうに言うと、目をキュッと閉じた。Aには悪いが、今の発言は腹が立って仕方が無い。

「――俺が、そんな事思ってると思った?」
「えっ……」
Aの手を押さえ、ゆっくりと頬を触る。Aは少しくすぐったそうに身体をよじった。

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霜月白雨@狂人(プロフ) - サキさん» コメントありがとうございます!! はい! 更新頑張りますね!  (2017年11月28日 17時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - とても丁寧(ていねい)に書かれていてとても面白いです。更新頑張って下さい。 (2017年11月28日 8時) (携帯から) (レス) id: 9cc6cf2948 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@狂人(プロフ) - 歌実楽シナさん» コメントありがとうございます!! はい! 更新頑張りますね! (2017年11月21日 0時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
歌実楽シナ(プロフ) - 更新頑張って下さい!楽しみにしています! (2017年11月20日 22時) (レス) id: 0e790813f8 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@地味に傷ついたw(プロフ) - 橘 涼@低浮上さん» 有り難う!! 頑張ったよw 頑張るよ!! (2017年10月3日 16時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜月白雨 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年9月30日 14時

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