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「エーミール。そろそろ部屋に戻りましょう」
コネシマの足を洗ったあと、黒い服で身を包んだシスターがエーミールに茶色いカーディガンを羽織らせる。
「けど、もう少し居たいです……」
エーミールが少し濁った茶色の瞳をシスターに向けると、シスターは溜息交じりにエーミールの持っていた本を取り上げる。
「その目の病気も、治りませんよ」
「……はい」
エーミールは俯くと、渋々立ち上がり、自室に向かう。
エーミールは白内障を患っていた。子供には珍しく、今の技術では進行を止める事しかできないが、とても費用が高く、孤児のエーミールに払えず筈もなく進行に目を瞑っていた。
「え……えーみーるいってまうの?」
コネシマが心配そうにエーミールの服の裾をつかむ。それにエーミールは小さく笑い、「何処にも行きませんよ」と言い、コネシマの頭をそっと撫でた。
「じゃあ、あとでごはんもってくるかんな!」
コネシマの声に、エーミールはそっと笑った。
_______________________________☆
ゴホッゴホッと咳を二つする。エーミールは個室で一人、外を眺めていた。先程まで外で遊んでいたシャオロンたちは部屋に戻ったのか、庭には一人も居ない。
「……私も、皆と一緒に居たいです……」
エーミールは元は大部屋だったのだが、病気がちと言う事で小部屋の一つを割り当てられた。この前まで一緒に寝てくれていた軍曹たちは居ず、独り寂しく布団を被る。
病気が治らない事よりも、皆と一緒に居れないことの方が、エーミールには辛かった。――しかし、此処でエーミールがわがままを言って他の人に病気をうつしてしまったら、きっと後悔の念に押しつぶされてしまう。
それも嫌だから、大部屋から離れて行くことを決意した。
「本でも、読みましょうか……」
そう言って、近くにある本を取る。病気が進行しているのか、視界の端が、白くぼんやりとしていた。
それも気にせず、本を読む。目の病気はもう諦める事しかないと分かっていた。シスターたちの声色、神父の焦った声、全てで目はもう治らない事が察せた。
「本も読めなくなるんですかね……」
文字が少しかすれて見える。このまま進行していったら、間違いなく文字は読めなくなるし、失明もするだろう。
それが恐ろしく怖い。――だが、もしもこの孤児院に来る前に悪くなっていたら良かったかもしれない。
そうすれば、嫌なものをみずに済んだかもしれない。
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霜月白雨@テスト期間の為、低浮上(プロフ) - トレークハイトさん» 初めまして! 有り難うございます!! 元はと言えば自分の欲望と友達の欲望の為に作ったのですが、オアシスになれたならうれしいです! 応援よろしくお願いします!! (2017年11月2日 16時) (
レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
トレークハイト(プロフ) - 心のオアシス....素敵な作品をありがとうございます。これからも応援します！ (2017年11月2日 10時) (レス) id: 8459ef3b9d (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨＠我々ハマったw(プロフ) - はーちゃんさん» おぉ、復活しましたか!! 美味しいでしょう!! (2017年10月21日 9時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
はーちゃん(プロフ) - (ΦωΦ)ﾌﾌﾌ… ｶﾜｲｲｵｶﾜｲｲｵ ショタ…可愛いおぉ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 1efa1c5dea (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨＠我々ハマったw(プロフ) - 君の友達@我々ファンさん» おぉ! 君はぁぁぁ!!! コメント(pq´v`*)ｧ-�鄭� (更新頑張るおー) (2017年10月18日 20時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過酸化水素水。 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年10月18日 16時
