番外編 ページ22
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今思えば、鬱は孤児院に来た時は情緒不安定だった。
孤児院に来る前まで、借金をし、娼婦となった母親が殺され、悲しみに暮れる事もままならないまま一人で生きていく事を余儀なくされ、その後、悪漢等に売り払われそうになっていた。
その状況から考えてみれば、情緒不安定になっても何ら不思議はない。
――だが、鬱は情緒不安定である自分が嫌いだった。
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鬱が来てから二週間くらい経った頃。エーミールが来た時、大部屋はざわざわと不穏な空気が漂っていた。エーミールは起きるのが遅かったため、何が起こっているか分からない。
エーミールは、この孤児院でも一番の古株である軍曹に問う。
「軍曹さん、何かあったのですか」
「……鬱が、泣きだした」
「……! 鬱さんが……」
何故泣きだしたのだろう。
そう思う前に軍曹が詳しく説明を入れてくれた。
「……大部屋に入ってきたときも、鬱は悲しそうな顔をしてましたが、入ったあと一人で大声を出して泣き始めました……。それを訊いた皆が集まっていると言う感じです」
「そうなんですか……有り難うございます」
鬱は今はぐずぐず鼻水を啜っているだけだが、何時泣き出すか分からない。
エーミールは皆をどけ、鬱の近くによる。
「鬱さん。こっちに来てください。此処では落ち着かないでしょう」
何時もは断る鬱も、今日は従順に着いて来る。きっと何か嫌な事でも思い出したのだろう。
エーミールはそんな彼を気遣うように部屋の隅に連れて行き、皆の視線から遠ざける。そして、泣きじゃくっている鬱の背中を優しく撫でた。
「鬱さん、大丈夫ですか? 辛いときは何時でも言ってくださいね」
背中を撫でていると、鬱の紺碧色の瞳からはまたもや涙が溢れていく。
泣き止んで貰いたいから撫でていたのに逆効果っだったのだろうか。エーミールが手を引っ込めると、鬱は左手で涙を拭いながら俯き、エーミールの名前を紡ぎ紡ぎに連呼する。
「ぼく、ひとりこわい……みんなが、しんじゃうんやないかって……ぼくのことおいてっちゃって、どっかいっちゃうんやないかって……」
「そんな事無いですよ。少なくとも、私は此処に居ます」
「あそこにいたときも、おとなはみんなぼくのことを“むのう”っていうん。すごくこわくて、ぼくがいらんにんげんやとおもって……しにたくなっちゃって……」
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霜月白雨@テスト期間の為、低浮上(プロフ) - トレークハイトさん» 初めまして! 有り難うございます!! 元はと言えば自分の欲望と友達の欲望の為に作ったのですが、オアシスになれたならうれしいです! 応援よろしくお願いします!! (2017年11月2日 16時) (
レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
トレークハイト(プロフ) - 心のオアシス....素敵な作品をありがとうございます。これからも応援します！ (2017年11月2日 10時) (レス) id: 8459ef3b9d (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨＠我々ハマったw(プロフ) - はーちゃんさん» おぉ、復活しましたか!! 美味しいでしょう!! (2017年10月21日 9時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
はーちゃん(プロフ) - (ΦωΦ)ﾌﾌﾌ… ｶﾜｲｲｵｶﾜｲｲｵ ショタ…可愛いおぉ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 1efa1c5dea (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨＠我々ハマったw(プロフ) - 君の友達@我々ファンさん» おぉ! 君はぁぁぁ!!! コメント(pq´v`*)ｧ-�鄭� (更新頑張るおー) (2017年10月18日 20時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過酸化水素水。 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年10月18日 16時
