#16 ページ19
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「外に出る時間ですよ」
シスターが大部屋に入って来てその事を告げると、孤児たちは大きな声で返事をして外に向かう。グルッペンは、慣れていないゾムを案内することにした。
けれども、彼は何処かに行ってしまったようで、もう部屋には居ない。トントンに聞いても「見ていなかった」と言われてしまった。
「教会の外は危ないのだが……」
「僕に言われたってなぁ……どっか行ったんはゾムやし……」
「探しに行くゾ」
グルッペンはトントンの手を引き、外に出る。辺りを見回すも、居るのは普段良く見ている孤児だけであって、ゾムの姿は見当たらない。
グルッペンは一番近くに居た、歳の割には小さい少年――ロボロに声を掛けた。
「ゾムを知らないか」
「んー、知らんなぁ」
「そうか……」
ロボロは
確かにあの草むらはゾムの緑パーカーが隠れるのにはうってつけだ。
「ありがとな」
「俺は当然の事しただけやで」
ロボロに礼を言うと、グルッペンは草むらに向かって行った。
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「僕はこっち、トントンはこっちを頼めるか」
「ええで。さっさとやったるで」
二人でがさがさと草を分けて進んでいく。草の高さは身長の低いグルッペンの胸近くまであった。
少し奥の方に行くと、緑の彼がちょこんと座って何かをしている。そして、その周りには蟻が行列を作り、巣へ向かっていた。
「ゾム、危ないから此処に来ては――」
言い掛けた刹那、グルッペンの目にはゾムが蟻を指の先で潰しているのが見えた。けれど、その顔は「楽しそう」とか「嬉しい」などの概念は無く、只々指を無機質に動かしているだけだ。
ゾムは小さく返事をした後、またその作業に戻る。グルッペンは何時の間にかゾムの動かす手を掴んで制止させていた。
「なんやの……」
「……蟻さんを潰しちゃいけないんだゾ!」
「けど……かあさんが『むしはてきや』っていってた……」
どうやら、ゾムは母にそう教えられたためにやっているらしい。――ゾムが悪い訳ではない。だが、グルッペンには蟻が潰されるのを見ているだけなのは無理だった。
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霜月白雨@テスト期間の為、低浮上(プロフ) - トレークハイトさん» 初めまして! 有り難うございます!! 元はと言えば自分の欲望と友達の欲望の為に作ったのですが、オアシスになれたならうれしいです! 応援よろしくお願いします!! (2017年11月2日 16時) (
レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
トレークハイト(プロフ) - 心のオアシス....素敵な作品をありがとうございます。これからも応援します！ (2017年11月2日 10時) (レス) id: 8459ef3b9d (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨＠我々ハマったw(プロフ) - はーちゃんさん» おぉ、復活しましたか!! 美味しいでしょう!! (2017年10月21日 9時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
はーちゃん(プロフ) - (ΦωΦ)ﾌﾌﾌ… ｶﾜｲｲｵｶﾜｲｲｵ ショタ…可愛いおぉ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 1efa1c5dea (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨＠我々ハマったw(プロフ) - 君の友達@我々ファンさん» おぉ! 君はぁぁぁ!!! コメント(pq´v`*)ｧ-�鄭� (更新頑張るおー) (2017年10月18日 20時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過酸化水素水。 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年10月18日 16時
