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「早く死んでくれねぇかなぁ……」
そんな物騒な言葉が朝の教室に響く。その発言をしたのはハルヒだった。
カリナは友達のモモと一緒にハルヒの席の隣に座る。
「どうしたの」
「いや、あのクソババアがまた私の自主学習について口出ししてきた……」
ハルヒは笑顔で教卓に向かい、中指を立てる。その光景を見てモモは笑いながら「まぁ、あいつならそうだよね」と一緒に中指を立て始めた。
クソババアとは、このクラスの担任で英語教師のタカミの事だろう。タカミは悪気が無いのかもしれないが、少しいらだつような発言を生徒に浴びせたり、しつこく注意したりする。それが原因で、陰口を言われている。
「昨日だってシュンタロウ君と、ショウたちがふざけてたからって2人だけ皆の前で歌わせてさ、良心ってものが無いのかねぇ」
「まぁ、あのババアにはないんじゃないの」
二人がけたけたと笑い、話し合っているとタカミが教室に入ってきた。もうそんな時間か、と思いながら時計を見るともう7時55分を回っていた。やはり、話していると時間は早く感じるものだ。
カリナとモモが自分の席に戻ると同時に、ホームルームが始まった。
淡々としたスピードで始まったホームルームは1つの項目でバランスを崩し始めた。――当番のコウダイが、スピーチを考えていなかったのだ。
「コウダイさん、早く続けて下さい」
タカミが冷たい口調でコウダイを急かす。コウダイはガタイの良い身体を必死にちぢこませ、スピーチの内容を必死に考えていた。
「あれぇ、考えてないんですか。言ったじゃない――」
タカミの言葉を遮るかのように、閉じ切ったはずの教室のドアが音を立てて開く。皆の視線は、コウダイから、教室の後ろのドアへと移動した。
ドアからは小柄な男の子が1人、覗いている。誰かの兄弟だろうか。それにしても、誰とも似つかない顔をしていた。
「誰ですか。勝手に入ってはいけませんよ」
タカミが少年に近付く為、ドアの方に歩いていく。
(面倒なことしやがって……)
カリナはタカミからゆっくりと視線を外す。そして、スケッチブックを出して、シャーペンを滑らせようとした――その時だった。
スケッチブックに、赤い飛沫がかかり、遅れて悲鳴が聞こえる。その甲高い悲鳴はタカミの物だ。
横を見ると、先程の少年が体育祭で優勝した時に渡された旗の先端をタカミに突きさしていた。タカミの目からはぼとぼとと血が垂れ流れ、口から泡を吹いている。
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霜月白雨@我々ハマったw(プロフ) - 谷崎小夜さん» コメント(´▽`)アリガト! あぁ、直さんとな……このままチャット続くんだったらしらたま掲示板いかへん? (2017年10月19日 19時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
谷崎小夜 - よくよく見ると、ダイキ→タイキになってるぞ。 更新ありがと!今回も良かったっす(´・ω・`) (2017年10月19日 19時) (レス) id: 0c4ef10cf1 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@我々ハマったw(プロフ) - 谷崎小夜さん» 君はあの……! 有り難う!! きみきゃわうぃーね☆ (2017年10月18日 7時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
谷崎小夜 - すごくいい!臨場感が伝わってきたよ。面白い! (2017年10月17日 23時) (レス) id: 0c4ef10cf1 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@地味に傷ついたw(プロフ) - 桃色レイカンさん» コメントありがとうございます! そう言って貰えると嬉しいです!! CSSですね! はい! 更新頑張ります!! コメントありがとうございました!! (2017年10月7日 14時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜月白雨 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月6日 19時