Blood pledge【青】

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ななもりside

こ「…もういい！！！！」

そう言ったころちゃんは、先ほどまでの笑顔なんて忘れてしまったかの様に涙目でそっぽを向いた。

な「わかった」

そういうしか、できなかった。

間違ったことはしていない。

情が深くて、寂しがりやで、誰よりも友人を、大切な人を守るためならどんなことでもできちゃうころちゃん。


…ころちゃんは、Aちゃんが棗家の生き残りかもしれない、その可能性は限りなく確実に近いってことを知ったら、どうするんだろう


りいこちゃんやりけんくんは血縁関係とはいえ遠い親戚だからそんなに症状は出にくいとは言え、

莉犬くんは、きっと症状が…”赤塚家として当然”とも言える、Aちゃんに対する異常な程に強い吸血衝動が出るかもしれないと知ったら。

莉猫くんは大人で、優しくて、…過去のこともあって、Aちゃんに手を出すのはそんな数日で起こる様なことはないとは思うけど、

いつか莉猫くんもAちゃんの血を吸ってしまう可能性がないとは言い切れない。



それほどまでに、Aちゃんの…棗家の血は甘くて、美味しくて、赤塚家に相性のいい家系だから。


そしてその棗家を支配していたのは赤塚家で、その手助けをしていたのは紫堂家だから。


俺たちは、棗家を支配するころの援護と同時に、赤塚家の者の吸血衝動が暴走した時にストッパーとなって棗家を守る必要があるから。



ころちゃんじゃ、Aちゃんの血を吸いつくそうとする莉犬くんや莉猫くんを、命がけで止めることはできないでしょ？


Aちゃんが大切なのは、さっき話したのでもう十二分にわかった。

ころちゃんだって白縹の力は持ってるし、弱いから守れないって思ってる訳じゃないけれど。


優しい君は、Aちゃんを守るために、

大切な友人を、殺す覚悟で止めることなんてできっこない。



…大切な友人、なんて言葉で収まる様な関係じゃない。

もっともっと大切な存在である幼馴染の一人、ころちゃんが泣きそうな顔してるの、気にならない訳ない。

辛い思いをしてるのが、どうでもいいって思う訳、ないんだ


それでも、



Aちゃんのためにも、莉犬くんや莉猫くん…赤塚家のためにも、


ころちゃんのためにも。




な「ちょっと、ここで待ってて」




俺は、ころちゃんの中からAちゃんを消すこと


それしかできないんだ

















…ごめんね







そんな本音は隠して、そっと頭を撫でた

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