眠れる森の美女たち

酒井参輝(甘々) ページ14

今日は久しぶりのオフ。
だから彼女とお家デート。

の、はずが。


「ねぇ、参輝〜」

『…』


「参輝さーん？」

『…』


「参輝せんせーい？」


さっきから彼女 A が呼んでる。
オフでも俺はお仕事中なのです。

次のツアーに向けて作曲中。
悪いとは思うけど構ってやれない。


そろそろ拗ねだすかな…。


「…」


Aは無言で立ち上がり
部屋を出て行ってしまった。

あーぁ、拗ねちゃった。


しばらくすると背後に人の気配。
そう思った途端Aが抱きついてきた。


「…」


言葉は交わさなくとも
Aが泣いていただろうと分かる。


俺は持っていたギターを置きAと向き合った。


ギュッ


『相手してやれなくてごめんね。
もう少しで終わるから。待っててくれる？』


なにも言わずにAは頷いた。


こんな俺のどこがいいんだろ。

会いたいときに会えないで
ろくに構ってもやれないで
いつも寂しい思いばっかさせてる。


そんな事を考えていると


「参輝と居られるだけで幸せだよ」

とAは呟いた。


『…』


俺はAを膝の上に乗せ
もう一度ギターを抱える。


「参輝っ？！///」


『また泣かれたら困るから。
ここで大人しくしてなさい』


そう言ってAの首筋にキスを落とす。


「？！///」


『好きだよ』



〜 E N D 〜

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