隣の人は、猫被り君でした。《キヨ。》 (ページ14)

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episode8 。ページ14

キ「いや、俺がこいつと一緒にいようが関係ないだろ。」

キヨ君は、声のトーンを落とし今までにない表情を浮かべる。こんな怒ったキヨ君は初めて見た。

モブA「あ、いやそういう訳じゃないよ .. ! ねぇ、モブB .. ？」

モブB「うんうん .. ! キヨ君は、そういう子タイプなんだね .. ! 意外だなぁ .. 」

2人は、キヨ君が初めて怒ったからか焦りながらさっきの事を撤回し始める。

___ 意外って何 .. 私みたいな子がもしキヨ君と付き合ってたらおかしいっていうの。
確かに私はクラスで一番浮いてるし暗いし .. だけど、あの言い方は酷い .. 私は少しぷちんときた。

キ「あのさ、俺が誰を好こうがお前らにはなんの影響も与えないし、迷惑もかからない。それを意外とか何だか言うな。お前らより Aの方が性格めちゃくちゃいいわ。」

そう言いキヨ君は私を握った手を離す事はなく早歩きで外に向かった。

キヨ君 .. 私なんかの為にこんな事してくれるなんて .. 只々嬉しかった。でも .. キヨ君とこれ以上関わったら .. 駄目だよね ..

キヨ君。私は猫被ったキヨ君より本来のキヨ君の方が良いよ .. 猫被ったキヨ君より本来のキヨ君の方が人間って感じがするもん。いつも無理矢理笑ってるんでしょ .. ？

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私達は中庭に着くとキヨ君は手を離した。少しキヨ君が強く握っていたせいか私の手は若干赤くなっていた。

キ「ごめん。A 。俺は Aともっと仲良くしたいし知りたい。だから、気にして避けようとかすんなよ。」

キヨ君は私を抱き締めポツリと呟く。読まれてたんだ。私がキヨ君から離れようとしてる事 .. 私とキヨ君は身長差がかなりあり彼の腕にすぽりとはまった。

キヨ君の心臓の音が聞こえてくる。

『 ... キヨ君凄いよ .. 何でも分かって .. 後ね、私は今のキヨ君の方が良いと思う .. 偽のキヨ君より今のキヨ君の方が感情がよく分かって。確かに偽のキヨ君に憧れてたけど .. 私は今のキヨ君を知って偽のキヨ君より今のキヨ君が一番良いと思えたんだ。最初は吃驚したけどね .. 』

キヨ君はそれを聞いて少し鼻をすするような音をした。キヨ君 .. もしかして泣いてるのかな .. ？