60.襲撃 ページ20
少女は男審神者達を自分の本丸に案内するべく、一緒に施設の転送ゲートへ向かった。
しかし、何やらゲートの前は混みあっていて、たどり着くのには少し時間がかかりそうだった。
｢混んでますね……今日、いつもより参加者多かったんですかね？｣
男｢そんなことないと思いますけど...。
渡された資料だと、1階使ってる相模と豊後の人達でも併せて500人くらいですし。｣
急患でも出たんですかね？と二人の審神者は疑問に思った。
清光も、何度か会合に着いてきた事はあるし、どうしても最上階を使っている為待たされる事は多々あったが、もうかれこれ30分は、1階の階段そばに立ち往生している。
こんなに待たされるのは初めてだった。
それに、このビルの一つのフロアはかなり広い。
つまり階段のある一番奥からゲートまで、デパートの1フロア分ほどの範囲全てに審神者とその近侍が立ち往生していることになる。
人口密度が凄まじい。
男｢満員電車みたいだ……こんなの、何か起きたら逃げれないな。｣
男が、そう言った時だった。
バチンっ。
−−えっ何！？
−−停電かな？
−−うわ〜マジかよ、夜目効かないのに。
そんな声がちらほら聞こえる。
ビルのブレーカーが落ちたのだろうか、フロアは一気に暗闇に包まれた。
｢暗い……。
清くん、いる？｣
加『大丈夫、主こそ見えないなら俺の服握ってていいよ。』
少女はおずおずと清光のコートの袖を握った。
他の審神者や近侍達のざわめく声に紛れて、何だかこそばゆい気持ちになった。
しかし、それは一瞬だった。
−−空気が、おかしい。
清光がそう思った直後……誰かの近侍の、脇差の声がフロアに響き渡った。
−−−遡行軍の気配だッ！！！！！
刹那、けたたましい銃声と、つんざくような悲鳴、爆発音、そして建物のガラガラと崩れる音が同時に鳴る。
何かが肩に当たったな、と思う間もなく、清光の体は大人数によって押し潰された。
やがて銃声は止み、剣戟の音が耳に入り始めた所で、清光は痛覚を取り戻し、右肩に激痛が走り、落下物や人の重みで潰された左足から感覚が消えた事に気付いた。
加『−−−っかは……！？』
何だ、何が起こっている。
衝撃で回らない頭でも、一つだけわかるのは。
このビルが、歴史修正主義者によって、テロの標的にされたということだった。
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なつき - コメント失礼します。本当に面白かったです！過去に謀反を起こしてしまったけど最後まで主を守ろうとした加州、かっこよかったと思います！そして清光。主の事を思っていたからこそ距離を置いていたという所にキュンとしました！これからも頑張ってください！！！ (2019年3月29日 21時) (
レス) id: 096c0293d8 (このIDを非表示/違反報告)
… - いい作品でした… (2019年3月26日 6時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
まりえもん。(プロフ) - 胸が苦しいです...、最後に清光くんの健気な主を守りたいという気持ちが本当に泣けます...素晴らしい作品を作者様、ありがとうございました (2018年12月9日 9時) (レス) id: 327421a364 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き！！！ - そして最後もう一振りの清光…くっついて良かったです！やっと付き合えたね！おめでとう！！！って感じです。凄く良かったです！ (2018年1月16日 0時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き！！！ - 面白過ぎです！滅茶苦茶感動しました！泣きました…。これからも頑張って下さい！応援して居ます！この作品…大好きです…！清光が折れた時、いくらだめな事をしていても何で折れちゃったの！？って泣きました。 (2018年1月16日 0時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弓月 | 作成日時：2017年12月3日 1時
