伝えたい ページ9
キヨside
吉原くんが本気でAちゃんの事が好きなのはわかっていた。
でもまさか、当の本人は気づいていなかったとは。
俺の気持ちも気づいてないんだろうなと少し呆れる。
A「じゃ、荷物全部回収するから。」
吉原「どーぞ。」
吉原くんの家に行き、Aちゃんの物を全て回収する。また今日から、俺の家で暮らせることに安心する。
吉原「あ、A耳貸して。」
A「何?」
吉原くんがAちゃんの耳元で何やらニヤニヤしながら話している。
Aちゃんの顔は見る見る赤くなっていく。
A「そんなことしないし…。別にいいの、私は。…じゃあまたバイトで。」
そう言い残し、俺の方にバタバタと寄ってくる。
手に握られたカバンを奪って、そのまま外に出る。
キ「さっき吉原くんに何言われたの?」
A「…なんでもないです。」
まだ顔が赤いAちゃんは、そっぽを向いてそう言う。
吉原くんのことだから、変なことを吹き込んだんだろう。これはゴリゴリの偏見だけど。
A「ただいまー!!!」
元気よく誰もいない部屋に叫ぶ。久しぶりの家にテンションが上がってるみたいだ。
キ「おかえり、Aちゃん。やっぱ落ち着くっしょ!」
A「はい!キヨさんの家が1番です!最高です!」
ニコニコする笑顔を見て、本当に心からそう思ってくれているのだと俺も笑顔になる。
…伝えるなら、今かもしれない。
俺はAちゃんをソファに座るように促して、俺はカーペットに座る。
キ「まずは、戻って来てくれてありがとう。Aちゃんがいない間、本当に寂しかった。また一緒に過ごせることが嬉しい。」
A「…私も、またここでキヨさんと過ごせるのが嬉しいです。やっぱりキヨさんは私のヒーローです。」
目をうるうるさせながら真っ直ぐに俺を見つめてくる。この表情に弱い。守らなきゃって思わされる。
キ「…好きだ。」
A「ん?」
キ「めっちゃ好き。本気で、Aちゃんが好き。」
A「えっと、え?」
困惑するAちゃんの手を握って、ずっと伝えたかった気持ちをストレートに言う。
こんなに好きになるなんて、俺が1番びっくりしてる。けど、、Aちゃんが吉原くんと付き合うって聞いた時、今までにないほどの虚無を感じた。もう手離したくない。
キ「好きだよ。俺がAちゃんの、幸せを運ぶ猫になる。」
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えぬ(プロフ) - RX-00さん» 最初から読んでくださってありがとうございます!会話部分は勢いで書いていて、私の中のキヨくんの叫びが出ちゃいました笑 これからも楽しんで頂けるように書いていきますので、ぜひ、よろしくお願いします🙇♀️ (2022年7月20日 16時) (レス) id: 467f387b94 (このIDを非表示/違反報告)
RX-00(プロフ) - 初めまして。パート1から読んでます。キヨくんの発言する言葉ひとつひとつがキヨくんの声で脳内再生されて、毎回笑わせてもらっています!「ガッチさんにときめかないで!」が個人的に大好きです(笑) (2022年7月20日 16時) (レス) @page47 id: d76f713c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えぬ | 作成日時:2022年6月5日 21時