彼の気持ち ページ8
Aside
A「…キヨさん、私、吉原くんを追いかけてもいいですか。」
モヤモヤして、心がスッキリしない。
せっかくキヨさんが話をつけてくれたのに。
私は吉原くんの苦しそうな顔が離れなくて、ちゃんと話を聞きたいと思った。
キ「…ほんと優しすぎるんだから。いいよ。俺も気になってるし。」
私たちは吉原くんの後を追いかけた。
A「吉原くん!!待って!!!」
吉原「!?」
誰かを引き止めるのに、こんなに大声を出したのは初めてかもしれない。
吉原「何しに来たの。もう別れるんだからそれでいいでしょ?」
A「…私、自分勝手だけど…吉原くんにも笑っていてほしい。」
吉原「は?」
キ「Aちゃんはとんだお人好しなんだよね。知らなかったでしょ笑」
吉原「マウントうざ。」
キヨさんに悪態をつく吉原くんの袖を引く。
私に初めて出来た同い年の友達。
ゲームをしている時は本当に楽しそうな顔をしていて。
でも、会話の中ではいつも何かを隠しているような。作り物の笑顔で取り繕っているような気がしていた。
A「…さっき、お店を出た時、苦しそうな顔してたよね。活動者なのも知らなかった。…ずっと、作り笑顔で、何かを隠してるような感じで、自分を守ってるように見えた。」
吉原「詮索やめてよ。」
A「でもね、ゲームをしている時だけは本当の吉原くんだった。」
吉原「…何が知りたいの。」
A「別に知らなくていい。過去の吉原くんを知ろうとも思わない。…でも、これからも、友達でいてほしいの。」
吉原くんは目を見開いて、次にため息をついた。
キヨさんは後ろでケラケラ笑っている。
吉原くんが困っているのが面白いんだろう。
吉原「なんで俺と友達でいたがんの?脅して、無理やり付き合わせたのに。バカじゃん。」
A「バカでいい。初めて出来た同い年の友達だったから。それに…本当はゲームするのちょっと楽しかったし。」
キ「そーゆう事だから。あ、吉原くんに拒否権ないよ。俺はAちゃんの気持ちを尊重するからね。」
吉原「…わかった。仕方ないし、友達でいてあげる。ただ、俺、Aのこと好きなのは本当だから。」
A「へ?」
正直、あまり信じていなかった。ただ、ネタに使っているだけだと思っていたから。
本音で話したいとは思ったけど、予想外の本音に私は少し後悔した。
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えぬ(プロフ) - RX-00さん» 最初から読んでくださってありがとうございます!会話部分は勢いで書いていて、私の中のキヨくんの叫びが出ちゃいました笑 これからも楽しんで頂けるように書いていきますので、ぜひ、よろしくお願いします🙇♀️ (2022年7月20日 16時) (レス) id: 467f387b94 (このIDを非表示/違反報告)
RX-00(プロフ) - 初めまして。パート1から読んでます。キヨくんの発言する言葉ひとつひとつがキヨくんの声で脳内再生されて、毎回笑わせてもらっています!「ガッチさんにときめかないで!」が個人的に大好きです(笑) (2022年7月20日 16時) (レス) @page47 id: d76f713c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えぬ | 作成日時:2022年6月5日 21時