繋がれた手 ページ7
Aside
私たち3人は再び店内にいた。
キヨさんはずっと私の手を握っている。
手首にはしっかりとブレスレットが付けられている。
吉原「…話ってなんですか。Aを返せって言いに来たとか。」
口元は笑っているけど淡々と冷たい声で言う吉原くんに恐怖を感じる。自然とキヨさんの手を強く握る。
私の気持ちを察したのか、キヨさんは「大丈夫」と言った。
キ「俺が拾ったんだよこの子は。俺の家にAちゃんの居場所はある。吉原くんでは彼女は幸せに出来ない。」
吉原「なんでそんなに自信があるんですか。彼女の意思は無視ですか。」
キ「わかるよ。何も無かった所から、時間をかけて俺が思い出を作ってきたんだから。Aちゃんの全部を受け入れてるし、Aちゃんのためならなんだって惜しくない。俺はそんぐらい本気。」
力強く真っ直ぐな目で吉原くんを威圧する。
この目、いつも私を心配してくれる時とはまた違う。
でも、本当に私を守るために言ってくれていることが伝わってくる。
好きだ、本当にキヨさんが好きだ。
吉原「…全部自分がわかってる、自分はヒーローだって思ってるの、うざ。」
作り笑顔すらも消えた吉原くんは凍てつくような目線をこちらに向ける。
吉原「Aはさ、全部キヨさんに与えてもらったってことでしょ？どうなのそれ。自分の意思はないの？」
矢はこっちに向いたみたいで。
獲物を狩るような目線にビクつく。
そんな私の手をキヨさんがずっと握り続けてくれているから、私は勇気をだして言おうと決めた。
A「…私は、家族に捨てられた…。正直…人間が怖い。でもキヨさんは、私に手を差し伸べてくれたの。何も無かった私に幸せをたくさんくれた。キヨさんがいなかったら、あの時、拾ってくれなかったら、私は今頃ここにはいない。生きてない。…キヨさんじゃないと私は嫌だ。」
私の意思。本音。私の幸せはキヨさんといること。
他の誰かではダメで。キヨさんじゃないとダメなんだ。
吉原「はぁ。」
キ「俺らのこと、口外するならしてもらってもいいよ。俺はそんなことで実況やめたりしないし、Aちゃんを手放したりしないから。」
A「キヨさんそれは…。」
キ「君が活動者なのも知ってる。事は大事にせずに終わらせたいっしょ？」
吉原「…わかりましたよ。Aとも別れるし、口外もしないです。じゃ、ここも辞めるんで。」
出ていく吉原くんの最後の顔は苦しそうだった。
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えぬ(プロフ) - RX-00さん» 最初から読んでくださってありがとうございます！会話部分は勢いで書いていて、私の中のキヨくんの叫びが出ちゃいました笑 これからも楽しんで頂けるように書いていきますので、ぜひ、よろしくお願いします🙇♀️ (2022年7月20日 16時) (
レス) id: 467f387b94 (このIDを非表示/違反報告)
RX-00(プロフ) - 初めまして。パート1から読んでます。キヨくんの発言する言葉ひとつひとつがキヨくんの声で脳内再生されて、毎回笑わせてもらっています！「ガッチさんにときめかないで！」が個人的に大好きです(笑) (2022年7月20日 16時) (レス) @page47 id: d76f713c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えぬ | 作成日時：2022年6月5日 21時
