【キIヨ】恋をした

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貴「牛沢さんは…悪くなくて…たくさん優しくしてくれたのに…」
牛「なのに？それなのにキヨのことを好きになった？だから俺に気を遣ってる？…それは、酷いなww」
貴「ごめんな…さい…」
牛「俺は、自分をしっかり持ってるAちゃんが好き。だから、俺のことなんかそんな風に気にしないで、好きなやつをきちんと追いかけなよ。気遣われて好いてくれてても、俺嬉しくないから」
貴「…牛沢さんのことも…ほんとに好きだから…」
牛「っ！……ありがと、これからも俺らはよきパートナーだよ、仕事の。キヨへの好きは違うんでしょ？」
貴「…でも、わからなくて。本当にキヨさんのこと、思えてるか、とか…」
牛「はー、呆れた。だったら俺でいいの？」

腕を引かれて距離が近付く。
唇が触れそうになる。

貴「や、めて、ください…」
牛「…ほら。Aちゃんがこういうの許せるのは、キヨなんでしょ？素直になりなさい！」
貴「…うしざ…さん…」
牛「あ、謝ったら怒るよ？…それから、もう泣かないでよ」

くすくすと笑いながら指で涙を拭ってくれる。

牛「キヨに怒られちゃう」
貴「…キヨさん…に？」
牛「そ。住所教えてあげるから、今から行ってきなよ。もー、早くくっついて！俺虚しいから！！」
貴「…ごめんなさい…」
牛「だーから、謝んないの。ほら、行くよ」

急いで支度して玄関を出れば牛沢さんの姿。

牛「これ、あいつんちの住所。ちゃんと気持ち伝えといで？」
貴「牛沢さんは…優しすぎ、ます」
牛「…好きな子には誰しもそーなるもんだから。…風邪引いたら看病してあげたくなったりね。じゃ、行っといで」

もう一度、ありがとうございます、とぺこりと頭を下げて走り出す。
降り向けばきっと、怒られる気がして、後ろは振り向かなかった。

キヨさんに伝えたら、結果がどうなったっていい。
そのとき牛沢さんにもまた話そう。


初めての感情。


好きって気持ちを持ってたから、触れられるのが嫌じゃなかったんだ。

牛沢さんも好きなのに、でもやっぱり、キスできなかった。
あの人なんて思い出すだけで吐き気。

でもキヨさんは、あの日、キスをされた日、風邪とケーキの甘さは嫌だったのに、それなのに、キスは嫌じゃなくて。

こんなにも前から、あなたに惹かれてたんだ。



キヨさん、牛沢さんは、家にあげてないです。
牛沢さんが気を遣ってくれただけだけど。

だから、私があげたのは、あなただけです。


届くかな？

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