【キIヨ】恋をした

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#キヨside

気付いたら抱き締めていた。
前の時は話聞かせることに必死で感じなかったけど、細くて、今にも壊れそうで。
身体が小さいからすっぽりと腕の中におさまる。

…すんなりと受け入れるのは、拒否れないからとかじゃなくて？
俺を受け入れてくれていると思ってもいい？



貴「牛沢さんも、怖くなかった、です」



え、うっしー？

ああ、昨日、帰ってはきてたけど、ソウイウコト、してたんだ。

んだよ。
いつかうっしーに言った、"あいつがうっしーに惚れたら別にそれまで邪魔はしねーよ"って言葉が頭にめぐる。


…惚れてんならこんなの受け入れんなよ。


キ「男なら誰でもいーの？」

違う、こんなこと言いたいんじゃない。
俺がいいって思って欲しいだけ、それなのに。

キ「…うっしーとそういうことすんなら、俺のこと家あげたりすんなよ。誤解されんぞ」

驚いた顔の彼女。
もう、駄目だ。
今一緒に居たらもっと嫌なこと言いそう。
ただただ好きなだけなのに。

貴「…帰るんですか？」
キ「やめた、から。遊ぶの。今日からもうほんとに。だから、お前がうっしーとそういう関係望むなら、俺はお前に手出せねー」
貴「…どういう…」

彼女の答えを聞く前にがちゃりとドアを閉める。
引き止めてくれたりしねーかな、なんて少し期待した。

でも、あやふやなまま触れたりできないから。
足早に立ち去る。

もう遊びたくないから。

本気で好きだから、だから、うっしーがいいなら、俺に優しくしないでよ。




今日だって、俺には笑わなかった。




キ「…はあ、俺どーしてーんだろ」




うっしーなんかに渡したくねーし、あのおっさんがしたことなんか全部忘れられるように、俺でいっぱいにしてやりたい。


キ「あーーーーーーーーーーーーー」


迷惑とか、そんなん考えれなくて声が漏れる。



牛「お前うっせーぞ」
キ「は？なんでいんの？」
牛「家に呼ばれたから」

聞かなくても、そんなん誰からかとかわかった。
にしても、俺が出てってすぐうっしー呼ぶとかなかなかだな。

あー、そんなに俺と会ってたの塗り替えたい？


牛「…なんかさ、大体わかるんだよなー。だーから言ったんだよ」
キ「何？嫌味？」
牛「お前も鈍感だなー。どーせそのうちわかるだろ」

少し顔を歪めて笑ううっしー。

どういうことかわかんねーんだけど。
聞きたくても、うっしーはひらひらと手を振って明らかに俺が来た道を歩いていっていた。

キ「意味わかんね」

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