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#牛沢side
強引に連れてきてしまった気がしていたから、少し不安だった。
でも、彼女は楽しそうに微笑んでくれたから、心の底から安堵した。
前の仕事の話とか、学生の時の話とか、知らないAちゃんをたくさん見せてくれて、これは今、全部俺にあてられてるんだな、って思えば優越感。
俺も話せば、色んな表情を見せながら聞いてくれる。
口調こそまだきちんと敬語だけど、また少し近付けた気がする。
思い込みかもしれないけど。
お手洗い行ってくる、と声をかければ、はい、って返事。
可愛いな、なんて思うのに、それは素直に言えない。
キ「…おい、行くぞ」
聞きなれた声に振り返る。
「やーだー」
キ「…十分付き合ってやっただろ」
「じゃあこの後ホテルも！」
キ「それは約束してねー」
「ねえ、まだ帰りたくないー」
気持ち悪いくらいに甘ったるい声。
んだよ、あいつAちゃんに本気とか言っといて、女連れてんじゃん。
あんなやつに譲るわけねーだろ。
イライラした感情と、イライラの原因の奴の方が俺の好きな人のことを知ってるんじゃないかって変な不安とが交差する。
席に戻れば、そこにはあんなけばい女とは違う、可愛い子が待ってて。
でも、もしかしたらもうキヨの方に気持ちが揺らいでたりすんのかな、なんて嫌なことが頭をよぎる。
牛「そろそろ帰る？」
まだ一緒に居たいのに、しつこい男はよくねーな、なんて自分を言い聞かせて。
貴「…まだ、もう少し…帰りたくないです」
ぼそりと呟かれた言葉。
さっき、あの女が言ってたことと同じはずなのに、言い方で、言ってくる人で、こんなにもちげーんだ。
やばい、だってそんな、帰したくなくなるだろ。
牛「…もう一軒行こっか」
貴「はいっ」
満面の笑みで返事をされる。
ずるいな、こんなのされたら、誰にも譲りたくねーよ、ほんと。
店を出て、ありがと、と言えば、何がだろう、といった顔をされる。
牛「うし、まだまだ飲むぞー」
貴「飲みましょ飲みましょー！」
キヨの家から帰るとき自然と繋げた手も、今日は触れられなかった。
拒絶されたらどうしよう、と不安になって。
それでも、横を歩く彼女が、今まで俺らに見せてこなかった、とびきりの笑顔で居てくれたから、それだけで十分だった。
貴「私こそほんと、ありがとうございます」
牛「へ？」
貴「今すっごく楽しいです」
彼女がこうやって笑いかけてくれる相手が、いつも俺ならいいのに。
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煎茶(プロフ) - コメント失礼いたします。三人の長所が絶妙なバランスで描かれていて至高の作品でした。この小説との出会いに感謝したいです。執筆お疲れ様でした。 (2018年8月27日 1時) (
レス) id: ea34eab2cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - こねりさん» ありがとうございます(;_;)！！！内容が良い悪いはなんともいえないですか、いくつかお話は書かせていただいていますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです(*^-^*) (2017年10月23日 2時) (レス) id: 1e43dca40b (このIDを非表示/違反報告)
こねり(プロフ) - とっても面白かったです...！！うっしーがいい人すぎで、思わず読んでて泣いてしまいました...。新作の方も読ませていただこうと思います！！ (2017年10月16日 23時) (レス) id: 8a30c5e030 (このIDを非表示/違反報告)
。。*ましゅまろん*。。 - ゆるさんの小説みてたら、下の告知がいないないばぁ！で笑いました笑 (2017年3月29日 15時) (レス) id: b56a98098d (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - 蒼乃さん» わかります！！！私も、他の方と交流すること全然なくてwwたくさんコメントでお邪魔しちゃいますね！ (2016年12月21日 1時) (レス) id: 2348e913dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆる | 作成日時：2016年9月13日 3時
