第4話:土洋鈴葉 ページ5
暖かな陽だまりの中、ひとり微睡んでいた。
優しい光に包まれ、重たい瞼が落ち・・・・・・ない。
「・・・寝れない。」
いつもなら数秒で寝てしまうのに。とてもリラックスしているはずなのに。
理由は分かっている。
数日前の記憶がこびりついて離れない、そのせいで眠気が吹き飛んでしまっているのだ。
気になって、気になって、いくら待っても寝れないのだ。
数日前、出会った男性。東條諒人、と名乗ったそのヒトから聞いた”魔術師”という名。
もちろん聞いたことがないわけではない。何度も目に、耳にしている。
人によっては、忌み嫌っている人もいるだろう名だ。
魔術師とはそんな存在。
自分ら、”人間”にとっては。
私は別に、嫌っているわけではない。
ただ、あまりにもいきなり過ぎて、頭が追いついていないのだ。
いきなり話しかけられて、どこか分からない場所に連れて行かれたと思ったら、「君には魔術師の素質がある!」なんて。
数日なんて足りないほど、混乱していた。
「魔術師の素質、か・・・。」
身体を起こして座り込む。目を閉じて、今まで目を逸らしていた問題をしっかりと見つめた。
ここは幼き日に作った秘密基地のようなものだし、人里から離れているから誰かが来ることもないだろう。だから、考え事が捗る気がする。思い込みかもしれないけれど。
まず、魔術師について整理しよう。
魔術師は、まぁ所謂”魔法使い”みたいなものだ。ただ、魔法使いと違うところなど聞かれても、人間として暮らしてきた私には知る由もない。
他には、”特殊警察”と言う組織に追われ、捕まったが最期、どうなるか分からないらしい。
正直、特殊警察もよくわからない。なぜ、魔術師たちを追い、捕らえているのだろうか・・・。
「あぁ、余計ややこしくなってしまった・・・。」
閉じていた目を開き、頭をガシガシとかく。
最初よりも増えた考え事に心で悪態をつきながら、また寝転がる。
やはり難しいことは考えるべきではないみたいだ。私にはまったくもって合わない。
まぁ、どうせ、あと数時間で分かるのだ。
数日前に交わした約束の日は、今日なのだから。
場所は、彼と出会った噴水広場。
どうやら、私の他にももう一人いるようだけれど。
その子も悩んでいるのかなぁ・・・・・・。
なんて。
「まぁ、悩んでても仕方ないし!もうひと眠りしよう!うん!」
2人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
日向信乃(プロフ) - 大変遅くなりました。申し訳ございません (2016年6月29日 0時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - 更新します (2016年6月28日 22時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ(プロフ) - できました (2016年6月25日 12時) (レス) id: 43b426933d (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ(プロフ) - 書きますね。 (2016年6月25日 11時) (レス) id: 43b426933d (このIDを非表示/違反報告)
黒氷(プロフ) - 終わりました、SOS出したのでプランの方誰か繋いでくだされば… (2016年6月10日 22時) (レス) id: b7b1a79610 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ