生きてるおばけは生きている？2【mzmn】

gobbed it 2(1視点) ページ12

せんたん視点

｢ほんっとうにごめんなさい！｣

通話越しにも、女鹿先生が頭を下げているのが分かった。

｢あ、いや……はい｣

思わず苦笑い。

どうやら、女鹿先生は、僕が彼女に片思いしていると勘違いしたらしい。

まあ、確かに。生徒から『彼女募集中』という情報を聞いた直後に抱きしめられたら、自分に気があるのか、と思うのも無理もない。

僕的に女鹿先生は、うーん。悪いけどあまり好みではないな。

｢忘れてください｣

｢そうですね。今日のことは全て、無かったことにしましょう｣

やった。なし崩し的にチャラだ。

｢あの、ひとついいですか。どうして私にハグしたんですか？｣

話聞いてなかったのかこのアマ。黙らせてやろうか。

｢うーん……女鹿先生がかわいかったから、ですかね｣

｢なっ｣

｢違いますよ。小動物的な意味でですね｣

｢あ、そうですよね……｣

何故少しがっかりしているのか。女心は分からない。

｢はぁ……今日一日で、女鹿先生の印象が大きく変わりました｣

｢私も千田先生の意外な一面を見て驚いています｣

｢忘れてくださいよ……｣

｢ふふ｣

｢女鹿先生って掴みどころがない、ってよく言われませんか？｣

｢千田先生こそ言われません？｣

｢言われたことないです｣

｢やばっ、お鍋を火にかけてたんだった！失礼します！｣

くだらない言葉の応酬は、吹きこぼれているであろう鍋によって途切れた。

割れ鍋に綴じ蓋。何故かそんなことわざが頭に浮かんできた。

女鹿先生はないな、と思いながらもフられたことを少し、本当に少しだけ悔しく思う。心のどこかで、彼女を認めているのかもしれない。

｢あー！飲むかぁー！｣

入り混じった感情を発泡酒で流し込む。

｢絶対いい女捕まえてやるからな｣

舌に残る苦味は、氷を噛んで誤魔化した。



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『mzmn内では恋愛要素なし』と表記していたのに、申し訳ありませんでした。


以下、言い訳
付き合っていないので、恋愛要素ではないです。

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