8話 ページ8
「うわーーー…ビチョビチョ…」
「結構酷いね…、荷物とかは大丈夫？」
「は！パソコン！！」
カフェの椅子に座っていた私はガバっと荷物に飛びついて、自分のパソコンを確認する。
カンタ君に雑巾を5枚くらい借りながら、一生懸命パソコンの無事を確かめた。
「はぁぁぁ、良かったぁぁぁ…起動しました。」
カンタ君は微笑みながら一緒に安心してくれる。
なんて良い人なんだろう。
「AちゃんもMac使うんだね、どんな仕事してるの？」
さっき教えたばかりの私の名前をもごもご言いながら、頑張ってため口で話してくれる。
ため口は私の方が年下だからと提案したら、なんとか承諾してくれた。
敬語は距離を感じるからどうしても嫌だったし、早く仲良くなりたかった。
「もうすぐ大学4年なんですけど、今は動画編集の仕事をしています。
勉強しながらなんですけど…。」
「え！俺も！！」
すごく喜びながらそう言ってくれた彼に思わず胸がトクンと鳴る。
でも、彼の顔はすぐに複雑そうな顔になった。
「あ…、それってYouTubeとか？」
もしかしたら水溜りボンドを知っているんじゃ、とでも言いたそうな顔で私を見つめる。
彼は私がリスナーであることを望んでいないのだろうか。
彼にとってファンが増えることは嬉しいはずなのに。
頭の中をグルグルさせながら
「いえ、YouTubeじゃないですよ。企業の紹介動画とか作ってます！
YouTubeは全然見ないのでよくわからないですし…。」
なんて、嘘を付いてしまった。
でも、これは前から決めていたこと。
カンタ君にはYouTubeを見ていないことにする、少しでもリスナーって思わせないために。
「あ、そうなんだ！俺はYouTube好きだけどね！」
少しほっとした顔をするカンタ君の気持ちがよくわからないまま
「カンタさんはどんな動画を作っているんですか？」
と、聞いてみた。
YouTuberなんだ。
水溜りボンドって聞いたことある？
彼はなんて言うのだろう。
でも…
「俺もAちゃんと同じ感じだよ！
結構忙しくてねー」
ナハハって言いながら髪の毛を触っている。
なんで隠すのだろう。
そうなんですね！じゃあ動画のお話たくさんできますねー、
と言いながらテーブルの上のホットカフェオレを飲むけど、彼の真意がどうしてもわからなかった。
私に言う必要もないってことなのかな…？
心の距離を感じて胸が痛んだ。
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そら(プロフ) - 更新楽しみにしてますね！！ (2020年3月1日 18時) (
レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - そらさん» 良かったです、めちゃめちゃ嬉しいですー！！ (2020年3月1日 18時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 読むたびキュンが限界突破しそうです！！ (2020年3月1日 16時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - たくさんのお気に入りと評価、ありがとうございます〜！この書き方で皆さん読みやすいのかな？完全自己流なので、良かったら意見や感想聞かせてください！(^^)/ (2020年3月1日 16時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiu | 作成日時：2020年2月25日 17時
