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11話 ページ11

翌朝。朝食を取った万斉とAは、衣服や布団、その他の生活用品を調達するため街へと出ていた。




「…ねぇ、万斉」


「なんでござるか?」



「この手は何?」




この手。というのは昨晩同様に仲良く繋がれた手のことだ。


これがもし女性としての正当な扱いならばまぁ、許そう。



しかし、彼のこれがそれとは違うことを知っていた。





「嗚呼、街は人が多い。迷子になったら大変でござる」





これである。



人を6つか7つの子供だと思っているのではないだろうか。



確かに人は多い。しかし、背の高い彼を見失う程ではない。




勝手にふらふらと道を逸れたりもしない。
一体人をなんだと思っているのだ。と恨めしい目で万斉を睨んだ。






「そんな顔をするな、いい子にしていたら、餡蜜を買ってやろう。」





「……」




もう言い返す気力さえも湧いてこない。代わりに軽く腹を小突いてやった。


急に何をする、と言っていたが知らない。人を幼児のように扱う方が悪い。




しかし、Aは不機嫌そうに顔を歪めても、無理矢理手を解いたりはしなかった。




それは、彼の優しさへのほんの少しの甘えとまだ見ぬ餡蜜とやらへの楽しみが頭の中を回っていたから。

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きつねここ(プロフ) - コメントありがとうございます!頑張って更新します! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 2ea163fd5a (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - 鬼兵隊好きなので続きが楽しみです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きつねここ | 作成日時:2018年10月13日 20時

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