2話 ページ2
その晩、高杉と万斉は商人との密談を終え鬼兵隊の船へと戻るところだった。
酒を交えてのその密談は、日が変わる少し前に終わり、2人は酔いを覚ますついでにふらりと街から少し外れたところを歩いていた。
「そういやァ、噂のかぐや姫が出るのは今日みてぇな月の綺麗な夜らしいじゃねぇか…」
「かぐや姫…あの商人が話していた殺人鬼でござるか」
かぐや姫。月の綺麗な晩に、無差別に人間や天人を襲う正体不明の殺人鬼である。
酒に酔った商談相手は聞かぬことまでペラペラと喋り、そのかぐや姫のこともまるで自分がこの目で見たかのように恐ろしい奴だ。と話していた。
「しかし、そんな賊を姫とは。よく言ったものでござるな。」
「幕府の犬共や腕に自信のある奴等でも敵わねェ。…どんな姫か見てみてもんだなァ…」
くつくつと喉を鳴らして高杉は笑う。
そんな彼に同調しようと万斉が口を開こうとしたその時。
風に混じり、血と死の匂いが鼻に届いた。
「!…晋助」
嗚呼、と一言だけ残し、彼の主はその匂いを辿った。
かぐや姫に、会いに行くのだ。
53人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きつねここ(プロフ) - コメントありがとうございます!頑張って更新します! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 2ea163fd5a (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - 鬼兵隊好きなので続きが楽しみです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きつねここ | 作成日時:2018年10月13日 20時