第二ラウンドは望んでねえ ページ4
「アハハァァアッオニィチャァアン!!」
笑いながらビュンビュンとなにかを飛んでくるそれは、刃をかたどったようななにかであることが、かろうじて確認できる。
「だから違うって…言ってんだろッ!」
受け身を取り、体制を整えると同時に、影の中に手を突っ込み、なにか無いかと探す。
「!!」
(これは…)
いつしかに触った感触があった。それをゆっくりと取り出す。
こぽこぽと出てくるそれ。
…不幸中の幸い、というべきか。
真希さんから借りたままだった遊雲、入っていた。
ありがたいが…これは扱いづらいし、できれば使いたくない…
―――「それ、5億はくだらねえからな。壊してみろ、ミンチにすんぞ」
いつだかに言われた真希さんの言葉がよぎる。
…使うにしろ、使ってぶっ壊したにしろ…ミンチになるのは確定だな。
…相手は特級、普通の呪具じゃ折られて終わる。
折っちまったら…………後で考えよう。
「アァァァアソボォォオ」
ガキィン!!
ソイツの腕だったそれは、刀に変化していた。遊雲とぶつかり合い、火花が散っていく。
「…チッ」
軽く舌を打つ。……見た目は幼いのに…力が異常に強い。
「玉犬、合わせるぞ」
「グルルル…」
渾は「了解」と返すように唸ると、姿勢を低くし、俺の合図を待つ。
俺も構え、タイミングを探る。
「__今だ!!」
微かに体制をくねらせ、俺達が優勢な立場に立てる、その一瞬。渾と共に呪霊に飛びかかる。
ガキィン!! バキィッドガッ!!
遊雲を思い切りぶつけて押さえつけるが、そんな簡単に終わるわけなく、蹴りが飛んでくるがしゃがんで避け、遊雲でアッパーのように下から殴る。呪霊が天を仰いだその瞬間、渾で目となる部分を攻撃させる。
「キャァアアァァア!!」
「うるっせえ…!“渾”!!」
「ガウゥゥ!!」
聞くに耐えない高音が耳をつんざく。
顔を歪めなから渾に呼び掛けると、渾は振り上げた爪を降り下ろした。
バギャッ、の鈍い音をたて、渾の鋭い爪が当たった。
「…は…ッ…はぁッ…」
後ろに飛び退く。
やべえ、真希さんにもう少し教わっとくんだった。
だが、特級レベルがこんな簡単に―いや、今も十分だが―やられるはずない。
一体なにを隠して__
ゴッ
「う……ッ!?」
後頭部に、強い痛みが走った。
――は?なんだ、なににやられた?
まさか。
「アァ〜ソォォオボォォオ!!」
「っクッソ…ッ!」
もう一匹、増えてやがる。
一対二とかふざけんじゃねえよ。
どくどくと流れる血を拭いながら睨み付ける。
地獄の第二ラウンドなんか望んでねえっつーのに。
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みかん狐。(プロフ) - ルルさん» えっ…ハマってもらえたことに嬉しいという感情しか生まれませんどうしましょう()続きが気になるほど…私も嬉しすぎて今日は夜しか寝れなそうですよ(?)コメント、閲覧有難う御座います!! (2022年2月26日 16時) (レス) id: af05efaa9e (このIDを非表示/違反報告)
ルル - ハマっちゃったんですけど!どうしたらいいんですか!?ハマっちゃったせいで続きが気になり、夜しか眠れないんですけど!??(??) すみません!更新待ってますね。 (2022年2月26日 15時) (レス) @page3 id: 0fb48e7dd1 (このIDを非表示/違反報告)
みかん狐。(プロフ) - RIOさん» えっ“好き”…!?いや、もう感極まってます今…()あと分かります…推しからの愛ほど尊いものはないっすよね…それがどんな愛だとしても()更新頑張らせていただきます!初コメ有難う御座います〜!! (2022年2月26日 8時) (レス) id: af05efaa9e (このIDを非表示/違反報告)
RIO - うっわ、めっちゃ好きなんですけど、、推しからの愛ってめっちゃ良いですね……あ、親愛とかも込で。更新頑張ってください! (2022年2月26日 8時) (レス) @page3 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん狐。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/
作成日時:2022年2月25日 6時