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Holy night with you〈1〉 ページ8

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お店や看板がクリスマス一色に染まっているのを見て、そろそろか、とは思っていたが、街の賑わいに今日がその当日だというのにようやく気が付いた。



「クリスマス…か……」



どうりで今日の差し入れは甘いものが多いと思った。
そういえばスタッフさんがお子さんのプレゼントがどうこう、なんて話してたような気もする。



せっかくだから…と思い、いつもタクシーを拾う場所を通りすぎてもう少し歩くことにした。








キラキラと光るイルミネーション。


この日を待ってましたとでも言うように、道行く先は多くのカップルで溢れかえっている。

なんてことないイルミでも、クリスマスってだけでなんとなく気分が高まってキスしちゃったりね。ちょっといいとこのホテルのディナーなんて予約しちゃって、かっこつけたよなあ。
…昔の自分を思い出し、重ねてしまって思わず笑う。





もう、クリぼっちで虚しいだのなんだの言うような年齢ではなくなった。今日だって仕事だったんだ。今はそれが一番だし、しばらくは変わらないだろう。







『一緒に見たい人はいるんだけどね。なかなか 』





アイツは、一緒に見れてるのかな。

あの優しい表情で、思い浮かべていた相手と。








虚しくはないけど、やっぱり少し寂しい気がする。
これも今日という日のせいなんだろうか。



でもさ…叶わねーんだよ。不毛な恋ってやつ?一緒にイルミ見るどころか、一緒に出かけることさえ叶わねーのに。


だから…とっくにそんなの諦めてる。






女の子なら困んないのになぁ、なんて


「……やめよ」





ショーウィンドウに映った自分の顔が思ったより浮かない顔をしていて、何も見たくなくなってぐるぐるに巻いたマフラーに更に顔を埋めた。



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作者名:yuma | 作成日時:2016年12月20日 1時

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