【弱虫ペダル】走思走愛〜強き君達に翼を授ける〜2

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やはり、落ち着くのはこの場所だ。
部室の裏の木陰。
人はあまり来ないし、なにより涼しい。
涙が乾いた頬に静かに当たる風が心地がいい。

『巻ちゃん？元気にしてるか？
風邪などひいておらんだろうな！？』

と、騒がしい声。声の主とあの巻ちゃん呼びはこの部ではたった1人の存在。東堂先輩以外には考えられない。

じゃあーな！と軽快な声とともに切られたと思われる携帯の音。それから、ザッザッとこちらに歩いてくる気配。
やばい、泣いてたのがバレる……しかも、この先輩にばれたら厄介だ。

必ず、泣いてたのか！可愛いのだな！とか…
フラれたのでもしたか？なら、俺に相談するといい……とか…あれ、東堂先輩てチャラ男だっけ？私の頭でいつしか東堂先輩=ナルシストでチャラ男という定義が出来上がっていたらしい。

ザッと足音の止まる音。良かった……と思いきやまた歩き出した。
咄嗟に私は顔をばれないように後ろを向く。

東堂「…む、そこにいるのは……Aか？
何故こんなところにいる。汚くなるぞ？」

「いいんです。ほっといてください」

東堂「……泣いていたのか？」

やばい、ばれた。鼻声だった……なんたる失態。声なんか出すんじゃなかった………

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