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デザートも食べ終わって一息つき、1番の目的であった本屋に向かうためにお店を出る。またしてもハンビンのお母さんにはお代は結構だと言われ、ただただ美味しい食事を振る舞われる時間になってしまった。いつか必ずなにかお返しすることを心に決めて、何度も頭を下げ続ける。全然いいのにとくすくすと微笑む様はやっぱりハンビンに似ていて、こちらも自然に頬が緩んだ。
前回は着いてきそうになったハンビンだけれど、今回は本屋さんに行くだけだったので、彼曰く問題なしとのことで気をつけてと手を振られる。ぷらぷらと手を振り返したあと、その手はマシューによってぎゅっと握られたのだけれど、その瞬間走ってきて手を解かれた。あんなに早く動くハンビンは初めて見たな。その後ハンビンが見えなくなったあたりからマシューが私の手をもう一度握り直して、彼の行動は結局意味の無いものになったのだけれど。
マシュー曰く、近くに本屋さんがあるとの事なので話しながら歩いて行くと、大きくは無いが色んな本が置かれたお店が現れた。参考書や勉強コーナーまで進んで中国語勉強用の本を手に取ると、その上に英語の参考書がマシューによって置かれた。
『英語も勉強しといて損は無いから勉強しようよ。歌詞にも多く使われてるし、Aヌナの英語もっと聞きたいし』
あ、もちろんお金は僕が払うよ、と付け加えていたが、英語に苦手意識もあり勉強しなければとも思っていたので、私が自発的にやりたいからと遠慮した。そうすると発音は僕に任せてと胸を張るので、カナダ仕込みのマシューなら心強いと思い、その歳は頼ませてもらうと約束する。
お会計を終え外に出ると、12月ということもあり早くも日が落ちかかっている。私はこのまま宿舎に帰るけれど、マシューは自分の家に帰るとのことで、バスに乗って駅に着いた後別れることになった。
『Aヌナ、知らない人について行っちゃだめですよ。宿舎についたら連絡してね』
『わかったよ、今日はありがとうね』
チャギにも言われたことと同様なことを言われて少し笑ってしまう。そんなに私は頼りなく見えてるのかな、歳上らしくいたいのだけれど。私が今日のお礼を言うと、マシューもにこやかにこちらこそだと言ってくれたのでまた後日と手を振って帰路に着く。
電車に揺られながら買った本を読んでいると、正直英語の参考書の方が難しくて、マシューに頼る日も遠くは無いと感じた。
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜!そう言っていただけると嬉しいです(;;)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです! (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます!!! (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ | 作成日時:2023年3月17日 22時