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K_Hanbin
Aヌナは美人であり、可愛く、綺麗である。誰が見てもそうだろう。一般人として生きるには窮屈過ぎるくらい、彼女の美貌は人の目を奪うものである。そんな彼女は番組の中ではあまりメイクをしていない。しているのかもしれないけれど俺たちが気づくレベルのものでは無い。多分、最初の評価の時が1番メイクが濃かったと思う。
そんな彼女が、今日はいつもよりも可愛らしく、ふんわりとした雰囲気を纏っていた。いつもよりも血色がよく見え、どうしても視線が顔に行ってしまう。いつもは軽い前髪も今日は少し重めになっていて、どこか幼さを感じる。一言で簡潔に言うなら、可愛すぎる。
『チャギ、待たせちゃってごめんね』
行き交う人がたまにちらりと彼女に視線を向ける。それは男性だけでなく女性もそのようで、なぜだか一緒にいる俺ですら恥ずかしくなってくる。その格好、と声を漏らすと、ああ、となぜだか彼女は誇らしげに話し出した。
『いっつもチャギにはからかわれてばっかりだから、今日は本当のデートみたいに着飾ってやろうと思って。どう、可愛い?』
いたずらっ子のように口角を上げる様は、いつも以上に和らげな雰囲気も相まってとても可愛い。いっつもヌナとはいえからかいやすい彼女のことを弄ることが多かったが、こんな形で返ってくるとな思わなかった。彼女からしたらしてやったり、なんて思ってるのかもしれないけれど、こんなに可愛いAヌナと一緒に過ごせるなんて幸せでしかない。
『Aヌナはいつも綺麗だし可愛いですけど、今日はいつも以上に可愛いです…からかって悪かったですから、そういう可愛い服装にメイクは俺だけの前にしてよね』
呼び方だけでも恋人同士なんだし、と彼女に目線を向けずに言うと、チャギだからこんな格好できたんだよ、と何も考えずに言うので頭が痛くなる。
心の奥底に隠してきた気持ちが少しづつ見え隠れしているのを何とか押し殺して、行きましょうかと声をかけると、Aヌナは俺の手を握ってきた。その行動に驚いている俺をみて、Aヌナは話し始める。
『でーと、なんでしょ?私チャギにエスコートされたいなあ』
上目遣いで聞いてくる彼女に俺が太刀打ち出来るはずもなく、恋人握りに繋ぎ変えてわかりましたよ、と進み出す。この休みの間だけ、と自分に決意して、しまってきた気持ちをゆっくりと解きほぐした。同時に湧いてくる醜い感情を代わりに飲み込んで、今日のデートを楽しむことにする。
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜!そう言っていただけると嬉しいです(;;)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです! (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます!!! (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ | 作成日時:2023年3月17日 22時