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K_Hanbin


お昼まえ、とある駅の改札口。俺は待ち合わせにある人がやってくるのを今か今かと待ちわびていた。
番組唯一の女子練習生、Aヌナである。最初彼女を見た時は、正直何故ここに来たのだと理解が出来なかった。


特別枠、存在を知らなかったと言えば嘘になる。しかし、本当に応募してくる馬鹿な方がいるとは思わなかった。どう考えたって、批判の声は向かってしまうだろう。そんなこともあり、第一印象は少し抜けてそうな方、だった。そして、どこか儚くて、脆くて、綺麗な女性だと感じた。


休憩時間、テレなんかはずっと彼女のことを褒めちぎって、仲良くなりたいと続けるが、俺には理解できなかった。サバイバル番組で女性と仲良くしてるところを映されるなんて、場合によっては心象も下がりまくりである。俺は仲良くなるつもりなんてないと、その時は思っていた。


そんな感情は、彼女のステージを見て一変する。マスターさん方も仰っていたけれど、なんと言っても目が違う、遠くからでもそう感じた。カメラを見ているはずなのに、その奥の俺自身を見てくれている、という感覚。そして、あの触れられなさそうな雰囲気から一転、彼女の世界に陥ってしまったのではないかという錯覚。彼女の奥底にある、アイドルになりたいというそれが齎しているものなのだと、直感で悟った。


なんだ、彼女は俺と似ているのかもしれない。努力を惜しまないが、決して努力し続けていると見せないように振る舞い、近くて遠いその夢を諦めきれず、ここに挑戦してきていること。そう考えると、早く彼女と早く話したくて仕方が無かった。興味が湧いてしまった。


そんな感情を抱いた時点で自分の負けだったのだろう。自分が言われたくない言葉混じりの自己紹介にまで笑って答えてくれ、その笑顔で彼女の虜になってしまった。策士策に溺れるとはこういうことかもしれない。
そんな彼女に大好きな人を呼ぶ呼称で呼んでもらって優越感を抱いた。それだけでは飽き足らず、今日、こうしてカノジョをデートに誘ったまでである。


突然の誘いのため断られるかと思ったが、彼女は可愛らしいスタンプで了解の旨を送ってきてくれた。それから今までそわそわして気が気でなかったが、やっと彼女に会える。
そういえば私服を見るのは初めてかもしれない、と少しだけ期待していると、聞き馴染みのある声が聞こえ頭をあげる。俺の目に映ったのは、いつも以上に着飾った彼女、Aヌナだった。

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作品ジャンル:イラスト
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜!そう言っていただけると嬉しいです(;;)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです! (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます!!! (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りあ | 作成日時:2023年3月17日 22時

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