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楽しいひとときは一瞬、って誰が言い出したのだろうか。こんなにも簡潔に物事を説明できるって、才能だと思う。
まだまだ私の目から溢れ出す雫は、制服だけでなくステージまで濡らしてしまう。客観的な事実は頭に入ってこれど、涙を止める術を今の私には持ち合わせていなかった。
楽しかった、幸せだった。
それと同時に、もうこの風景を見ることが出来るのは最後なんだと、いやでも理解させられてしまった。
待ち望んでいた誰かに見られるステージは、瞬きにも満たない間に終わってしまって、寂しくて。私の頭をずっと撫で続けてくれていた佳汰は、いつの間にか私を落ち着かせる為に背中をぽんぽんと叩いてくれる。幸い、みんな近くの子達と感傷に浸っていて私がこんなにも小さく泣いてしまっていることには気づかれていなかった。
1度、手に入れて、体験してしまったからこそ、もう離せなくなってしまった。
ああ、私はここに立ちたくて今まで頑張ってきたんだな。
きらきらと煌めく照明の下で、見てくださってるあなたのために輝き続けたいんだって。
「佳汰、ステージって、ほんっとうに最高で幸せで、皮肉なくらい呆気ないものだね」
私たちが準備してきたものを披露するのは、どうしても時間が限られていて、そのタイミングを逃してしまうと、もう二度とお見せすることは出来ない、なんて。同じステージなんて、もう作り出せないのだから。私のことを、この一瞬でも、見てくれるだろうか。
「呆気ない一瞬だとしてもさ、見てくれるファンの人達からしたらかけがえのないものなんだよ。俺らもさ、もうこの時間が戻ってくることはないけど、一生物の思い出になったやん。きっと、みんなもそうだよ」
顔を上げて周りを見れば、楽しそうに笑う人、幸せを噛み締める人、はらりと涙をこぼす人、ステージの感想を言い合ってる人、みんな、この一瞬を最大限に味わって、心の中にとどめてるんだって。
「その皮肉めいた一瞬で、自分の虜にすることができたら、最高やない？」
口角を上げてにやりと微笑む佳汰。顔は悪そうなのに、どこか幸せそうで、ほんと、佳汰って誰かの前で輝くために生を受けたのだと感じる。
「うん、そうだね...佳汰のファンの皆も私の虜になってもらおう。まずは妹さん達からだ」
「いやそれはずるいて！俺の妹は俺のファン第1号やから！」
いつのまにか、私の目からこぼれ落ちる涙は、一瞬の幸せを嘆くものから、未来の幸せを願うものへと変わっていた。
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (
レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜！そう言っていただけると嬉しいです(；；)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです！ (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます！！！ (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りあ | 作成日時：2023年3月17日 22時
