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小さなモニターのある別室に連れていかれて、画面が浮かび上がるのを待つ。正直、今この時が1番緊張している。どんな結果でも悔いはない、なんて、出てからじゃないと言えないし、そんなことを考えていると音が鳴って目の前に画面が映し出される。
次の画像に切り替えられるのを今か今かと待ち続けて、ずっと見続けると、再度音がなり、私の名前と、4つの星が映し出された。
頑張ってきたことが、このように成果として出たら、やっぱり嬉しい以外の何物でもない。1番最初の、ここに来てよかった理由ができた。零れそうになる涙を必死に抑えて、何事も無かったのかのようにみんなのいる部屋に戻った。
がちゃりと扉を開けると集まる視線。期待とか心配とか色んなものを感じるけど、全て受け止めてオールスターの席へと向かう。やったよ、と言うとみんな自分事のように喜んでくれて、それがまた一層嬉しかった。
たくさんの拍手とおめでとうの声。佳汰はいつもみたいに頭をぐちゃぐちゃにしてくるし、ハオオッパは背中をバシバシと叩いてくる。その状態でジェイはハグをしようとしてきたので、さすがに潰れてしまうと優しく拒否した。
それからもどんどんと評価は続いて、ユジンの順番が来る。画面の上ですら体調が悪そうな彼が心配だけれど、そんな心配もよそに評価は始まる。喉がやられて声が出なくなっていたのか、高温のパートは音がかすれて聞こえない。ユジンの実力を知っているからこそ悔しくて、心の中で頑張れと応援する。
きっとまだ、熱があるだろうに頑張って踊り続けるユジンが健気で、どこか痛々しくて、倒れたりしないことを必死に祈る。評価を終えたユジンの顔は見てられないくらい暗くて、きっと、彼自身が1番悔しくて悲しくて、それ以上に体がしんどいのだと思う。
まだ幼い彼のことだから、精神的に心配だ。溜め込んで溜め込んで、彼が潰れてしまわないか。
それは少し離れた箇所にいるマシューも同じことが言えて、彼も評価を終えてからずっと顔を下に向けたままだ。
自分と向かい合っている時間に私が声をかけることは出来ないと今は避けてしまっているけれど、次、ゆっくり話をする機会が出来たら心の濁りを全て吐き出して貰えたらいいのだけれど、と可愛らしい弟たちに思いを馳せた。
そうして、長かった再評価の一日が終える。
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜!そう言っていただけると嬉しいです(;;)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです! (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます!!! (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ | 作成日時:2023年3月17日 22時