Violeta

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『おれ、Aさんのステージ見た時から、ほんとにずっとドキドキしてて、話してみたかったからとっても嬉しいです。ギュビンヒョンがずっとAさんのお話自慢してくるから、羨ましかった』


そうなのかとギュビンの顔をまたしても覗いてみると図星のように小さな声でなに、というものだから、そんなギュビンが可愛くてふわふわした頭を撫でると、辞めてよと言いながらも気持ちようさそうに目を閉じていた。まるで猫みたいだな、見た目は犬っぽいのになんて考えながら撫でくりまわしていると、すっと艶やかな黒髪が私の元へと現れる。


真意がつかめなくてそのままでいると、ユジンくんは上目遣いで私を見上げ、聞こえるか聞こえないの声でぽそりと呟いた。


『…Aヌナ、おれの頭もよしよしして』


次は前から私の横へと移動して、ぐいと頭を方に擦り付けてくる。見た目から想像できないけれど、思ったよりも押しの強い子なのかもしれない。なんにせよ、断る理由もないのでユジンくんの頭も優しく撫でる。へへ、と嬉しそうに頬を緩めるものだから私も口元が綻ぶ。


『ユジン、Aヌナの前だからって猫被んないで。ヌナも騙されないでくださいね、ヌナが断らないって分かって甘えてるだけだから』


『ヒョンのそんな姿だって俺見た事ないですけど。ヌナ、おれのこともユジンって呼んでください』


ユジン、と声に出すと目に見てわかるように顔がぱあっと明るくなる。対照的にどこかいじけたような表情になるギュビン。弟気質の子が多いからかこんな状況にも慣れてきたように感じる。


『ギュビンもユジンも言い合いしないの。私は3人でお話したいよ。2人とも英雄上手だったねえ』


2人とも肩にはキラキラとした星が繕われていて、元々美形なのも相まって存在が輝いているようだ。


『ヌナのcry for meもとってもすごかった！なんでか分からないけど目が合ってる感じがしたもん』


『ほんと？上手なユジンにそう言って貰えると自信がつくなあ。ギュビンはRevealもとっても上手だった！原曲はどこか諦めた様な感覚だとすれば、ギュビンはまだ諦めることに納得がいってない感じが伝わってくる感じ』


『ヌナに褒めて貰えるなら勇気出して発言したかいがあるなあ…あ、そういえばヌナ、昨日ハンビンヒョンとどこいってたの？』


ハンビンヒョン？と首を傾げるユジンと何故か真剣な目で見つめてくるギュビン。
呼んだ？と扉を開けて入ってきたのはパク・ハンビンさんだった。

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