Twins.［名前変換オリジナル］

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皐月サイド



｢A...｣



俺はAを抱き抱えながら歩いていた。



さっき一瞬見えたAの瞳は今まで見たことのないくらい虚ろで光が灯っていなかった。



あんなに頼りなさげなAは初めて見た。



いつも気丈で誰も頼らないAがあんな顔して俺に抱きついてきて。






｢可愛すぎだろ...｣




こんなの不謹慎だって思う。



Aは1人ですごい心細くて辛い思いをしたはずなのに。



Aのあの顔が声が頭から離れない。







家に着き俺はAをベッドの上に寝かせた。



Aは微かに寝息を立てながら横たわる。



毎朝毎晩見てるはずのAの姿。



...やっぱり俺今日おかしいのかな。



Aのことをいつもより可愛く愛しく誰にも渡したくないと思える。



Aのこんな弱ってる姿に興奮するなんて頭おかしいだろ。



だけど何度もあの時のAの顔が頭に浮かぶ。





｢もう1回、見たい＿＿＿｣





口に出して俺は気づいた。



ああ、そうか。俺はもう一度あのAの姿が見たいのか。



Aの寂しそうな顔。


Aの悲しそうな顔。


Aの辛そうな顔。


Aの絶望した顔。



全部想像しただけで興奮が冷めやまない。




｢ん...｣



Aは顔を顰めて寝返りを打った。



ああ、そうだ。その顔だ。



俺はAの頬に触れた。



もっと見せて欲しい。



Aのそのスッキリしない表情を。





｢A、愛してる＿＿＿｣





俺はAの口にキスを落とした。



それは優しく触れるだけのキス。




＿＿＿＿これは今からの序章に過ぎないキス。

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