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私は岸さんに連絡をした。
文字ではなく、電話で。
A「お話があるので、会っていただけますか。」
岸『…分かった。』
今日の岸さんは、元気がない。
A「岸さん、あの、先日のお返事ですが…」
岸「ごめん、Aちゃん!ちょっと待って!」
突然大きな声で言われ、面食らう。
岸さんは私に背を向け、深呼吸してるようだった。
こちらに向き直った岸さんは、震えているように見えた。
こころなしか、目の縁も赤いように見える。
A「岸さん。あの、私やっぱりお受けできません。本当にすみません。」
岸「…。」
A「こんな私を…好きだと言って下さってありがとうございました。」
深々と頭を下げる。
岸さんは何も言わない。
だんだん沈黙に耐えられなくなってきて、思わず下を向いた。
岸「…キツイわ。」
A「え…?」
顔を上げると、笑顔の岸さんと目が合った。
岸さんの唇が震えている。
岸「分かっていたんだけど、直で聞くとキツイわ〜!」
岸さんが笑った。でも、私には泣いているようにしか見えなかった。
A「本当にごめ…。」
岸「おれ!」
私の言葉を遮って岸さんが言う。
岸「『ごめん』より、『ありがとう』の方が好き、なんだよ。」
「だから…。」
岸さんが言葉に詰まった。
岸さんの気持ちが伝わってきたように感じ、私の声も震えてしまった。
A「岸さん、ありがとうございました…。」
岸「Aちゃん、最後にもう一度だけ」
「抱きしめさせてほしい。」
そう言って、岸さんは、私を優しく抱きしめた。
岸「ありがとう、Aちゃん…。」
岸「元気で!」
半月後、岸さんは、関西支社へと向かって行った。
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きっちょむ(プロフ) - 碧さん» 碧さん、ありがとうございます!始めから岸君サブで、ちょこっとだけのつもりだったのが、予想外にいい子過ぎて一瞬岸君とハッピーエンドにしようかと思ったくらいです(笑)また応援よろしくお願いします!コメント嬉しいです♪ (2019年12月15日 23時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 良かったです!紫耀君カッコいいし、海ちゃん達は可愛いし…私、よく岸くんメインの小説読むんですけど、サブ?もいいなぁって思いました!おまけもホッコリして…ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 4ed223f98b (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - まってます。楽しみにしてます (2019年11月6日 22時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
きっちょむ(プロフ) - atu66mi67yu129さん、ありがとうございます!私も書いていて楽しかったので、そう言っていただけると嬉しいです★おまけ更新した時にちょっと続編書きたいなぁと思ったので、どっかのタイミングで書きたいと思います! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 1ef3c32ee2 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 楽しい話だったので更新が待ち遠しかったです。ぜひとも続編お願いします。 (2019年11月6日 21時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きっちょむ | 作成日時:2019年10月26日 16時