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「どうも。よろしくね」
テーブルから離れようとした私に、井ノ原さんはにこりと笑いかけた。
私が最も警戒するタイプ。
常に笑顔の人だから。
「え、ほんとに食べちゃっていいの？」
周りのスタッフの人に確認しながら、
もぐもぐと口を動かし、カメラに笑顔を向けた。
それって演技……だよね。
分からない。
この世界の人達の、何がホントウで何がウソなのか私には分からない。
でも、分かる必要はないと思っている。
それは私の仕事ではないから。
だから、見学をさせてもらいながらも、
彼の表情には興味がなかった。
私が気にかけているのは、クライアントの意向に沿った料理を演出できているか否か。
その一点のみなのだ。
やがて「OKです！」という声が聞こえてきて、撮影が終わったと知る。
よかった。私はそっと胸を撫で下ろす。
「ほんとに美味しいよコレ！」
井ノ原さんは、
企業の関係者とか、撮影スタッフとか
色んな人に感謝の言葉を伝えている。
片付けをしながら、そんな声が耳に入ってきた。
律儀な人なんだな。
「ありがとうございます、Aさん」
声のするほうを見ると、私の目の前に井ノ原さんがいた。
目尻に皺を作ったその顔を私に向ける。
「あ……あっ、こちらこそ。ありがとうございます」
驚いた私は、声が掠れた。
ぎこちなく頭を下げると、
彼は手をひらひらと振りながら遠ざかって行った。
何……何の目的……？
それより名前、いつの間に覚えてくれたんだろう。
もしかして私を企業の人間と勘違いしている？
こちらからきちんと訂正した方が親切だったかもしれない。
すみません、井ノ原さん。
誰かに伝えておこうかな……。
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ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - 櫂さん» 櫂さん、こちらもお楽しみいただけて幸いです。本当にありがとうございます。いつでも遊びにきてください！ (2022年8月12日 7時) (
レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
櫂 - こちらの作品も読ませていただきました……本当に素敵な作品です。幸せな空間がすぐ想像出来るので、また読みにきたいと思います。完結までお疲れ様でした！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 4f295eac92 (このIDを非表示/違反報告)
ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - ひささん» ひささん、ありがとうございます！ぜひともよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年10月19日 0時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 新しいお話、楽しみにしてます！ (2021年10月18日 5時) (レス) @page44 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)
ﾖ-ﾘﾝ(プロフ) - ひささん» ひささん、いつもありがとうございます。そうですよね……やはり寂しさが募りますよね。私の物語がそのようにお役に立てていること、大変恐縮です……！本当に嬉しいです。完結までお付き合い頂けると幸いです。 (2021年10月5日 1時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾖｰﾘﾝ | 作成日時：2021年9月19日 1時
