もう恋心なんて忘れた (ページ21)

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「ホモだからって、そんな勝手な偏見で決めつけるなよ！」

「うるせーな」

髪を掴まれて、頭が痛むが彼に分からせるため大声で叫ぶ。それは逆効果だったのか、更に怪訝な顔をした友達は髪から手を離し、首につけられたネクタイを乱暴に外した。

そしてシャツの牡丹を離し、あっという間に俺の肌が露わになった。恐怖心が高鳴りおもわず、頬に涙を流す。

「何その顔、サイコー」

恐怖のあまり流した涙も今では相手を奮い立たせる材料でしかないのに気付かされ、悲しさがこみ上げてきた。

彼の手がゆっくりと近付いて肌に触れる。その手の体温の冷たさに身体を震わせ、ラインをいやらしくなぞってくる。

普通ならくすぐったいはずの感覚も今は、何も感じなかった。不意に胸にある唐突を触られる。その快感は、久し振りながらも身体はしっかりと植え付けられていて反応してしまう。

「……っ、う。」

しばらく其処を弄られ、絶望だけが募っていった。必死に腕も足も動かして抵抗するもやはり、全く効かなかった。

今の自分には、恥ずかしさは全く無く抵抗出来ない自分への悔しさと信じていた彼に裏切られた悲しさだけが残った。

「もう、駄目なのか」と諦めの気持ちが、沸々と込み上げてきた。前と同様に感情を無くせば良いだけのこと。けれど、今まで情が沸いていた友達にいつも通りにすることが出来なかった。

抵抗しなくなった俺に受け入れられていると勘違いしたのか行為は、更に激しくなってゆく。上半身だけでは満足出来なくなったのか、彼はベルトに手をかける。

それも俺は、黙って見据えるだけだった。早く終わってほしいとしか浮かばなかった。そんな自分を置いて、ベルトを徐々に外していく。

ズボンからするすると抜いて、チャックをわざとらしくゆっくりと下ろす。腰周りが緩くなって簡単に膝下までズボンが下げられてしまった。

更にはだけてしまった自分。心の中には悲しみだけで、彼は対照的に興奮が高まったのか口角がもっと上がっているような気がする。

そんな事がどうでも良くなるほど俺は今から乱されるのだろう。彼から腕が伸びてきて下半身の方に一直線で伸びてきた。覚悟を決めて目を静かに閉じて、目に溜まっていた涙を落とす。

するとその甘いのか濁っているのか分からない雰囲気を断ち切るように、ガタッと物を落とす音とバサバサとバラまくような音が同時に鳴る。

もしかしたら廊下に人が居るのかもしれないと、助けを求める声を発しようとしたがこの姿を見た人は、どう思うのだろうという恐怖ででかかった声が寸で止まった。