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華の金曜日 ページ6

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「Aちゃん、お疲れさま!」


「あ、お疲れさまです」


「また敬語〜」


「あ、すいませ…、あっ…」


「ふふふっ」











他人に敬語を使うことが癖になってるなんて、自分では気が付かなかった。



自分を卑屈に思ってる証拠だと思う。











「じゃあ私は帰るね。また明日」


「あ、うん。また…」











ひらひらと手を振り去っていく伊藤さんは甘い香りがした。



女の子、って感じ。











「あかり、ちゃん…」











慣れないなぁ……












「ふぅーーー…」










伊藤さんが帰って程なく、今日やるべき仕事をやっと終えた私。



周りはもう僅かな人数しか残っていない。










「お先に失礼します…」










きっと聞こえてはいないだろう。



朝と同じく重たいガラス扉を押し、エレベーターホールへと足を進める。



今日は俗に言う華の金曜日。



会社の外に出れば、いつもとは違う浮き足立ってるサラリーマンや群がって移動する楽しそうなOLさん。



予定があるわけでもない私は、いつもと同じ。











「…ただいま」










コンビニで調達した自分へのご褒美のアイスが入ったビニール袋を片手に帰宅。



玄関で目に入った紙袋を見つめながら、まだ見ぬ右隣のおとなりさんのことを考えた。



今日はいるのかな…



あ、でも昨日もいたんだよね。



居留守使われただけで……











「…渡さないわけにいかないし」











一度居留守を使われて、正直行く気にはならないけど。



このまま置いておいても意味が無いし、捨てることも出来ない。










「さっさと行ってこよ…」










小さく溜息を漏らしながらその紙袋を掴んで。



アイスの入ったビニール袋を棚に置いた時だった。












ーーースタ スタ スタ…



ーーーガチャ



ーーーバタン










「……あ、」











いいタイミングで帰宅した様子のお隣さん。



行くなら今しかない。











ーーーピンポーン











すぐに玄関を出て、おとなりさんのチャイムを鳴らした。






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ゆう(プロフ) - こちらの作品は更新されないのでしょうか?とても惹き付けられるお話でドキドキしながら読ませていただきました。続きが気になります。 (2022年2月15日 23時) (レス) @page19 id: 9fb175fbae (このIDを非表示/違反報告)
ぴい(プロフ) - 更新頑張って下さいね(>_<)毎日楽しみにしてます! (2017年1月6日 21時) (レス) id: 67b10679ef (このIDを非表示/違反報告)
ぴい(プロフ) - こんばんは!続きは更新しないのですか?(>_<)いつも楽しみに待ってます♪ (2016年12月26日 23時) (レス) id: 67b10679ef (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - Kさんキミ明日をずっと読ませて頂いていたものです!新作おめでとうございます。Kさんの書くお話とても素敵で大好きなのでこちらのお話も楽しみにしています!更新頑張ってください! (2016年10月25日 22時) (レス) id: 9ff866e7a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちょ。 - すいません、『この作品はもう更新されないのですか?』の後の『それとも、』は誤字です。 (2016年10月4日 1時) (レス) id: 32b17d2c21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年4月27日 21時

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