理想な女の子 ページ5
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ーーーpipipipipi……
携帯のアラームが鳴り響く朝
いつものこと。
「んー……」
止めて二度寝する
いつものこと。
「はぁーーー……」
揺れ動く電車の窓ガラスに映る自分見つめながら、風で無造作になった前髪を手ぐしで整える。
何年も伸ばしっぱなしの髪は重苦しく顔の周りを行き来するし、辛うじて自分で切っている前髪もいつも残念な出来栄え。
「…っ…、」
まだ慣れない満員電車の中、どこの誰かもわからない人に踏まれた左足。
朝から気分は最悪で、すでに帰りたい衝動に駆られる中。
「お、降りますっ……!」
なだれ込んでくる人混みをかき分けて、今日も同じ駅に降りる。
女だけの会社と言ってもこのオフィス街だから。
スーツを着た男性と女性とでごった返す道のり。
…電車、もう少し早めにしようかな。
「おはようございます…、」
小さく挨拶しながら開けたガラス扉は今日も重く感じる。
すでに数人人がいて、入ってきた私をチラ見しながら作業を続ける。
一体この中の何人が私の名前を知ってるんだろうか。
「あ、おはよう北山さん」
「おはようございます、」
隣のデスクの彼女は伊藤あかりさん。
この春私と一緒に入社した同期なんだけど、かわいいし仕事も出来るし、何より自分の意見がハキハキ言える。
私にとったらドンピシャで理想な女の子なの。
「伊藤さん、今日も早いんですね」
「あ、うん。ちょっと先にやっておきたい仕事があったから」
「…」
そっか
自主的に……
「北山さんて未だに敬語だよね。年も同じだし同期なんだから普通でいいのに」
「あ、うん…」
「ふふ。じゃあ今日からAちゃんて呼ぶね?」
「え?あ、ありがとうっ…」
「ありがとう?ってなんで?」
「あ、な、なんで…だろう…?」
「…え?あはははっ!!」
私のこともあかりでいいからね、って笑いながら言う伊藤さんはすごくかわいくて。
こんなふうになりたい、って思った。
明るくて、かわいくて
きっとみんなに好かれてる。
とりあえず明日…
少し早い電車に乗ってみよう。
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ゆう(プロフ) - こちらの作品は更新されないのでしょうか?とても惹き付けられるお話でドキドキしながら読ませていただきました。続きが気になります。 (2022年2月15日 23時) (レス) @page19 id: 9fb175fbae (このIDを非表示/違反報告)
ぴい(プロフ) - 更新頑張って下さいね(>_<)毎日楽しみにしてます! (2017年1月6日 21時) (レス) id: 67b10679ef (このIDを非表示/違反報告)
ぴい(プロフ) - こんばんは!続きは更新しないのですか?(>_<)いつも楽しみに待ってます♪ (2016年12月26日 23時) (レス) id: 67b10679ef (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - Kさんキミ明日をずっと読ませて頂いていたものです!新作おめでとうございます。Kさんの書くお話とても素敵で大好きなのでこちらのお話も楽しみにしています!更新頑張ってください! (2016年10月25日 22時) (レス) id: 9ff866e7a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちょ。 - すいません、『この作品はもう更新されないのですか?』の後の『それとも、』は誤字です。 (2016年10月4日 1時) (レス) id: 32b17d2c21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2016年4月27日 21時