23話 再会part2 ページ36
坊っちゃんに城田くんがいる教室…つまり私のクラスへと案内をする。
だか、体が弱いので坊っちゃんは休み休み進む。イスを出して座りながら。
まぁ、私には無いのだが。
…昔…坊っちゃんはイスが出せる魔法使いと思っていた。本気で。
「ふんっ、何だA。僕が出せるリードをまだ魔法だと…」
「思ってないです。私が幼少気メルヘン思考だったのは人生最大の黒歴史ですので掘り起こし厳禁ですよ」
先程のフォロー(と言う名の茶化し)の仕返しなのか小馬鹿にした笑いをしながら私に告げた。が、食い込み気味に否定をしたので坊っちゃんが押され気味に「おぉ…」と返事をする。
「貴様はリードを持って無い…いや…“持たせて貰えない”のか…。全く…過保護な奴め…。
それより……その…A…学校は楽しいのか…?」
「えっ、あ…はい。楽しいです、お陰様で」
坊っちゃんは「そ、そうか…」と顔を背けた。
…坊っちゃんは私がお世辞にも…中学校が楽しかった、と言えない事を知っている。心配してくれたのだろうが…本当にツンデレですね。
「そう言えば…城田くんと1番目を屋敷に連れて行ってどうされるんですか?」
「ふんっ、そんなの決まっている。怠惰の黒猫を僕のサーヴァンプにする」
「1番目をですか?」
坊っちゃんは「あぁ」とだけ答える。
…が、あの家に吸血鬼が増える事を旦那様が許すのだろうか…?
「貴様も知っているだろう。…“椿”はリリイのサブクラスも殺している…。
…貴様と仲の良かった子供も何人か殺られたんだ…」
「そう、ですね…」
“椿”とそのサブクラスは他の真祖のサブクラスを殺して回っている。
私と仲の良かったリリイさんのサブクラスも何人か殺られてしまった…。
『死んじゃったら…死んじゃうんだ』
誰かが死ぬ度に…お父さんの言葉を思い出してしまう…。
「力が必要だ。僕はチェスのキングの様に守られるだけじゃダメなんだ。今度は僕があの園を守れる様に…」
坊っちゃんは…悔しそうに苦しそうに呟く。
私はそんな坊っちゃんの手を そっ…と握った。
「…私もあの園を守りたいです。なので裏方で坊っちゃん達をサポートをし続けます。
役に立てる事が有れば仰って下さいね」
坊っちゃんは顔を赤くして私の手を払った。
そして「あの教室だな!」と声をあげる。
そうです、という前に聞きたい事が…
何か…教室から悲鳴が聞こえるんですが…?
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作者名:キタペン | 作成日時:2018年9月14日 18時