アナタの事、好きだけど愛してはいない (ページ3)

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１話出会いpart2 ページ3

私は今着ている服を少し破り、公園の水道の水で濡らし、猫の傷を拭いた。

最初、警戒していた猫も徐々に慣れてきたのか抵抗しないでくれた。

傷が拭き終わったら猫を抱き締めてボロボロのベンチに座る。
今日は此処で野宿かな。まあ、外で寝るのも慣れてるから良いけど。

「ねぇ猫の神様。Aね、帰る家無いの。要らないってされちゃった。

神様。一生のお願い。Aと一緒にいてくる人が欲しいです。
…寒いのは慣れてる。
痛いのも慣れてる。
でも、寂しいのだけは辛いの」

神様コレあげる、私は猫の首にクローバーの形のストラップが付いたチョーカーを付けた。
コレはお母さんが“優しかった頃”にくれた物。
でも今、私には必要ないから神様にあげるのだ。

「猫の神様の名前は四ツ葉。四ツ葉だよ。
四ツ葉、今日はこのまま一緒に寝かせて…」

…四ツ葉を抱いたまま眠りに付いた幼い私。
普通なら凍死する寒さだったが、凍死せずに済んだのは神様…では無く、ちょっと訳有りの吸血鬼のお陰である。